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化学反応
2PH3 + 6MnO2 → 2P + 3Mn2O3 + 3H2O

2PH₃ + 6MnO₂ → 2P + 3Mn₂O₃ + 3H₂O

更新日：2022/6/13

ホスフィンと酸化マンガン(IV)の反応: 2PH₃ホスフィン + 6MnO₂酸化マンガン(IV)
⟶
2Pリン + 3Mn₂O₃酸化マンガン(III) + 3H₂O水

ホスフィンと酸化マンガン(IV)が反応すると，リンと酸化マンガン(III)，水が生成します（その他の反応はこちら）。この反応は酸化還元反応で，

還元性化学種と被還元性化学種の反応

に分類されます。

目次

化学反応情報

化学反応式

ホスフィンと酸化マンガン(IV)の反応: 2PH₃ホスフィン + 6MnO₂酸化マンガン(IV)
⟶
2Pリン + 3Mn₂O₃酸化マンガン(III) + 3H₂O水

一般反応式

還元性化学種と被還元性化学種の反応: 還元性化学種還元剤 + 被還元性化学種酸化剤
⟶
生成物酸化生成物 + 生成物還元生成物

各原子の酸化数

ホスフィンと酸化マンガン(IV)の反応

反応物

化学式	名称	係数	分類	一般反応式における分類
PH₃	ホスフィン	2	還元剤	還元性
MnO₂	酸化マンガン(IV)	6	酸化剤	被還元性

生成物

化学式	名称	係数	分類	一般反応式における分類
P	リン	2	酸化生成物	–
Mn₂O₃	酸化マンガン(III)	3	還元生成物	–
H₂O	水	3	–	–

熱力学的変化

標準状態における変化 (1)

ホスフィンと酸化マンガン(IV)の反応 ◆ Δ_rG −590.6 kJ/mol K 2.94 × 10¹⁰³ pK −103.47: 2PH₃気体 + 6MnO₂結晶性固体
⟶
2P結晶性固体白リン + 3Mn₂O₃結晶性固体 + 3H₂O液体

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−625.1	−590.6	−115.4	197.44
ホスフィン 1 mol あたり	−312.6	−295.3	−57.70	98.720
酸化マンガン(IV) 1 mol あたり	−104.2	−98.43	−19.23	32.907
リン 1 mol あたり	−312.6	−295.3	−57.70	98.720
酸化マンガン(III) 1 mol あたり	−208.4	−196.9	−38.47	65.813
水 1 mol あたり	−208.4	−196.9	−38.47	65.813

標準状態における変化 (2)

ホスフィンと酸化マンガン(IV)の反応 ◆ Δ_rG −614.8 kJ/mol K 5.11 × 10¹⁰⁷ pK −107.71: 2PH₃気体 + 6MnO₂結晶性固体
⟶
2P結晶性固体赤リン (三斜晶) + 3Mn₂O₃結晶性固体 + 3H₂O液体

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−660.3	−614.8	−151.9	192.18
ホスフィン 1 mol あたり	−330.1	−307.4	−75.95	96.090
酸化マンガン(IV) 1 mol あたり	−110.0	−102.5	−25.32	32.030
リン 1 mol あたり	−330.1	−307.4	−75.95	96.090
酸化マンガン(III) 1 mol あたり	−220.1	−204.9	−50.63	64.060
水 1 mol あたり	−220.1	−204.9	−50.63	64.060

標準状態における変化 (3)

ホスフィンと酸化マンガン(IV)の反応: 2PH₃気体 + 6MnO₂結晶性固体
⟶
2P結晶性固体黒リン + 3Mn₂O₃結晶性固体 + 3H₂O液体

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−703.7	–	–	–
ホスフィン 1 mol あたり	−351.9	–	–	–
酸化マンガン(IV) 1 mol あたり	−117.3	–	–	–
リン 1 mol あたり	−351.9	–	–	–
酸化マンガン(III) 1 mol あたり	−234.6	–	–	–
水 1 mol あたり	−234.6	–	–	–

標準状態における変化 (4)

ホスフィンと酸化マンガン(IV)の反応: 2PH₃気体 + 6MnO₂結晶性固体
⟶
2P非晶質固体赤リン (アモルファス) + 3Mn₂O₃結晶性固体 + 3H₂O液体

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−640.1	–	–	–
ホスフィン 1 mol あたり	−320.1	–	–	–
酸化マンガン(IV) 1 mol あたり	−106.7	–	–	–
リン 1 mol あたり	−320.1	–	–	–
酸化マンガン(III) 1 mol あたり	−213.4	–	–	–
水 1 mol あたり	−213.4	–	–	–

標準状態における変化 (5)

ホスフィンと酸化マンガン(IV)の反応: 2PH₃気体 + 6MnO₂非晶質固体沈殿物
⟶
2P結晶性固体白リン + 3Mn₂O₃結晶性固体 + 3H₂O液体

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−730.3	–	–	–
ホスフィン 1 mol あたり	−365.1	–	–	–
酸化マンガン(IV) 1 mol あたり	−121.7	–	–	–
リン 1 mol あたり	−365.1	–	–	–
酸化マンガン(III) 1 mol あたり	−243.4	–	–	–
水 1 mol あたり	−243.4	–	–	–

標準状態における変化 (6)

ホスフィンと酸化マンガン(IV)の反応: 2PH₃気体 + 6MnO₂非晶質固体沈殿物
⟶
2P結晶性固体赤リン (三斜晶) + 3Mn₂O₃結晶性固体 + 3H₂O液体

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−765.5	–	–	–
ホスフィン 1 mol あたり	−382.8	–	–	–
酸化マンガン(IV) 1 mol あたり	−127.6	–	–	–
リン 1 mol あたり	−382.8	–	–	–
酸化マンガン(III) 1 mol あたり	−255.2	–	–	–
水 1 mol あたり	−255.2	–	–	–

標準状態における変化 (7)

ホスフィンと酸化マンガン(IV)の反応: 2PH₃気体 + 6MnO₂非晶質固体沈殿物
⟶
2P結晶性固体黒リン + 3Mn₂O₃結晶性固体 + 3H₂O液体

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−808.9	–	–	–
ホスフィン 1 mol あたり	−404.4	–	–	–
酸化マンガン(IV) 1 mol あたり	−134.8	–	–	–
リン 1 mol あたり	−404.4	–	–	–
酸化マンガン(III) 1 mol あたり	−269.6	–	–	–
水 1 mol あたり	−269.6	–	–	–

標準状態における変化 (8)

ホスフィンと酸化マンガン(IV)の反応: 2PH₃気体 + 6MnO₂非晶質固体沈殿物
⟶
2P非晶質固体赤リン (アモルファス) + 3Mn₂O₃結晶性固体 + 3H₂O液体

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−745.3	–	–	–
ホスフィン 1 mol あたり	−372.6	–	–	–
酸化マンガン(IV) 1 mol あたり	−124.2	–	–	–
リン 1 mol あたり	−372.6	–	–	–
酸化マンガン(III) 1 mol あたり	−248.4	–	–	–
水 1 mol あたり	−248.4	–	–	–

水溶液における変化

ホスフィンと酸化マンガン(IV)の反応 ◆ Δ_rG −614.6 kJ/mol K 4.71 × 10¹⁰⁷ pK −107.67: 2PH₃水溶液 (非解離状態) + 6MnO₂結晶性固体
⟶
2P結晶性固体白リン + 3Mn₂O₃結晶性固体 + 3H₂O液体

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−595.3	−614.6	64.9	–
ホスフィン 1 mol あたり	−297.6	−307.3	32.5	–
酸化マンガン(IV) 1 mol あたり	−99.22	−102.4	10.8	–
リン 1 mol あたり	−297.6	−307.3	32.5	–
酸化マンガン(III) 1 mol あたり	−198.4	−204.9	21.6	–
水 1 mol あたり	−198.4	−204.9	21.6	–

反応物の熱力学データ

化学式	標準生成エンタルピー Δ_fH° kJ · mol⁻¹	標準生成ギブスエネルギー Δ_fG° kJ · mol⁻¹	標準モルエントロピー S° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準モル定圧熱容量 C_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
PH₃ (g)	5.4^[1]	13.4^[1]	210.23^[1]	37.11^[1]
PH₃ (ao)	-9.50^[1]	25.36^[1]	120.1^[1]	–
MnO₂ (cr)	-520.03^[1]	-465.14^[1]	53.05^[1]	54.14^[1]
MnO₂ (am) 沈殿物	-502.5^[1]	–	–	–

* (g):気体, (ao):水溶液 (非解離状態), (cr):結晶性固体, (am):非晶質固体

生成物の熱力学データ

化学式	標準生成エンタルピー Δ_fH° kJ · mol⁻¹	標準生成ギブスエネルギー Δ_fG° kJ · mol⁻¹	標準モルエントロピー S° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準モル定圧熱容量 C_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
P (cr) 白リン	0^[1]	0^[1]	41.09^[1]	23.84^[1]
P (cr) 赤リン (三斜晶)	-17.6^[1]	-12.1^[1]	22.80^[1]	21.21^[1]
P (cr) 黒リン	-39.3^[1]	–	–	–
P (am) 赤リン (アモルファス)	-7.5^[1]	–	–	–
P (g)	314.64^[1]	278.25^[1]	163.193^[1]	20.786^[1]
Mn₂O₃ (cr)	-959.0^[1]	-881.1^[1]	110.5^[1]	107.65^[1]
H₂O (cr)	–	–	–	–
H₂O (l)	-285.830^[1]	-237.129^[1]	69.91^[1]	75.291^[1]
H₂O (g)	-241.818^[1]	-228.572^[1]	188.825^[1]	33.577^[1]

* (cr):結晶性固体, (am):非晶質固体, (g):気体, (l):液体

参考文献

参考文献一覧

1
Janiel J. Reed (1989)
The NBS Tables of Chemical Thermodynamic Properties: Selected Values for Inorganic and C1 and C2 Organic Substances in SI Units
https://doi.org/10.18434/M32124
National Institute of Standards and Technology (NIST)
引用リスト