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化学反応
H2S + Zn(OH)2 → ZnS + 2H2O

H₂S + Zn(OH)₂ → ZnS + 2H₂O

更新日：2022/6/13

硫化水素と水酸化亜鉛の反応: H₂S硫化水素 + Zn(OH)₂水酸化亜鉛
⟶
ZnS硫化亜鉛 + 2H₂O水

硫化水素と水酸化亜鉛が反応すると，硫化亜鉛と水が生成します（その他の反応はこちら）。この反応は酸塩基反応で，

に分類されます。

目次

化学反応情報

化学反応式

硫化水素と水酸化亜鉛の反応: H₂S硫化水素 + Zn(OH)₂水酸化亜鉛
⟶
ZnS硫化亜鉛 + 2H₂O水

一般反応式

酸と塩基の反応: 酸ブレンステッド酸 + 塩基ブレンステッド塩基
⟶
塩共役塩基 + (H₂O)(共役酸)

酸と水酸化物塩基の反応: 酸ブレンステッド酸 + 水酸化物塩基ブレンステッド塩基
⟶
塩共役塩基 + H₂O共役酸

弱酸と弱塩基の反応: 弱酸ブレンステッド酸 + 弱塩基ブレンステッド塩基
⟶
弱酸と弱塩基の塩共役塩基 + (H₂O)(共役酸)

酸と両性水酸化物の反応: 酸ブレンステッド酸 + 両性水酸化物ブレンステッド塩基
⟶
弱塩基の塩共役塩基 + H₂O共役酸

弱酸と両性水酸化物の反応: 弱酸ブレンステッド酸 + 両性水酸化物ブレンステッド塩基
⟶
弱酸と弱塩基の塩共役塩基 + H₂O共役酸

各原子の酸化数

硫化水素と水酸化亜鉛の反応

反応物

化学式	名称	係数	分類	一般反応式における分類
H₂S	硫化水素	1	ブレンステッド酸	酸弱酸
Zn(OH)₂	水酸化亜鉛	1	ブレンステッド塩基	塩基水酸化物塩基弱塩基両性水酸化物

生成物

化学式	名称	係数	分類	一般反応式における分類
ZnS	硫化亜鉛	1	共役塩基	塩弱酸と弱塩基の塩弱塩基の塩
H₂O	水	2	共役酸	水

熱力学的変化

標準状態における変化 (1)

硫化水素と水酸化亜鉛の反応 ◆ Δ_rG −88.18 kJ/mol K 2.81 × 10¹⁵ pK −15.45: H₂S気体 + Zn(OH)₂結晶性固体γ
⟶
ZnS結晶性固体 + 2H₂O液体

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	–	−88.18	–	–
硫化水素 1 mol あたり	–	−88.18	–	–
水酸化亜鉛 1 mol あたり	–	−88.18	–	–
硫化亜鉛 1 mol あたり	–	−88.18	–	–
水 1 mol あたり	–	−44.09	–	–

標準状態における変化 (2)

硫化水素と水酸化亜鉛の反応 ◆ Δ_rG −88.47 kJ/mol K 3.16 × 10¹⁵ pK −15.50: H₂S気体 + Zn(OH)₂結晶性固体β
⟶
ZnS結晶性固体 + 2H₂O液体

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−115.10	−88.47	−89.5	–
硫化水素 1 mol あたり	−115.10	−88.47	−89.5	–
水酸化亜鉛 1 mol あたり	−115.10	−88.47	−89.5	–
硫化亜鉛 1 mol あたり	−115.10	−88.47	−89.5	–
水 1 mol あたり	−57.550	−44.23	−44.8	–

標準状態における変化 (3)

硫化水素と水酸化亜鉛の反応 ◆ Δ_rG −86.92 kJ/mol K 1.69 × 10¹⁵ pK −15.23: H₂S気体 + Zn(OH)₂結晶性固体ε
⟶
ZnS結晶性固体 + 2H₂O液体

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−113.76	−86.92	−89.9	90.0
硫化水素 1 mol あたり	−113.76	−86.92	−89.9	90.0
水酸化亜鉛 1 mol あたり	−113.76	−86.92	−89.9	90.0
硫化亜鉛 1 mol あたり	−113.76	−86.92	−89.9	90.0
水 1 mol あたり	−56.880	−43.46	−45.0	45.0

標準状態における変化 (4)

硫化水素と水酸化亜鉛の反応: H₂S気体 + Zn(OH)₂結晶性固体沈殿物
⟶
ZnS結晶性固体 + 2H₂O液体

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−114.8	–	–	–
硫化水素 1 mol あたり	−114.8	–	–	–
水酸化亜鉛 1 mol あたり	−114.8	–	–	–
硫化亜鉛 1 mol あたり	−114.8	–	–	–
水 1 mol あたり	−57.40	–	–	–

水溶液における変化 (1)

硫化水素と水酸化亜鉛の反応 ◆ Δ_rG −124.99 kJ/mol K 7.89 × 10²¹ pK −21.90: H₂S水溶液 (非解離状態) + Zn(OH)₂水溶液 (非解離状態)
⟶
ZnS結晶性固体 + 2H₂O液体

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	–	−124.99	–	–
硫化水素 1 mol あたり	–	−124.99	–	–
水酸化亜鉛 1 mol あたり	–	−124.99	–	–
硫化亜鉛 1 mol あたり	–	−124.99	–	–
水 1 mol あたり	–	−62.495	–	–

水溶液における変化 (2)

硫化水素と水酸化亜鉛の反応 ◆ Δ_rG −93.91 kJ/mol K 2.83 × 10¹⁶ pK −16.45: H₂S水溶液 (非解離状態) + Zn(OH)₂結晶性固体γ
⟶
ZnS結晶性固体 + 2H₂O液体

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	–	−93.91	–	–
硫化水素 1 mol あたり	–	−93.91	–	–
水酸化亜鉛 1 mol あたり	–	−93.91	–	–
硫化亜鉛 1 mol あたり	–	−93.91	–	–
水 1 mol あたり	–	−46.95	–	–

水溶液における変化 (3)

硫化水素と水酸化亜鉛の反応 ◆ Δ_rG −94.20 kJ/mol K 3.19 × 10¹⁶ pK −16.50: H₂S水溶液 (非解離状態) + Zn(OH)₂結晶性固体β
⟶
ZnS結晶性固体 + 2H₂O液体

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−96.0	−94.20	−5	–
硫化水素 1 mol あたり	−96.0	−94.20	−5	–
水酸化亜鉛 1 mol あたり	−96.0	−94.20	−5	–
硫化亜鉛 1 mol あたり	−96.0	−94.20	−5	–
水 1 mol あたり	−48.0	−47.10	−3	–

水溶液における変化 (4)

硫化水素と水酸化亜鉛の反応 ◆ Δ_rG −92.65 kJ/mol K 1.70 × 10¹⁶ pK −16.23: H₂S水溶液 (非解離状態) + Zn(OH)₂結晶性固体ε
⟶
ZnS結晶性固体 + 2H₂O液体

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−94.7	−92.65	−5	–
硫化水素 1 mol あたり	−94.7	−92.65	−5	–
水酸化亜鉛 1 mol あたり	−94.7	−92.65	−5	–
硫化亜鉛 1 mol あたり	−94.7	−92.65	−5	–
水 1 mol あたり	−47.4	−46.33	−3	–

水溶液における変化 (5)

硫化水素と水酸化亜鉛の反応: H₂S水溶液 (非解離状態) + Zn(OH)₂結晶性固体沈殿物
⟶
ZnS結晶性固体 + 2H₂O液体

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−95.7	–	–	–
硫化水素 1 mol あたり	−95.7	–	–	–
水酸化亜鉛 1 mol あたり	−95.7	–	–	–
硫化亜鉛 1 mol あたり	−95.7	–	–	–
水 1 mol あたり	−47.9	–	–	–

反応物の熱力学データ

化学式	標準生成エンタルピー Δ_fH° kJ · mol⁻¹	標準生成ギブスエネルギー Δ_fG° kJ · mol⁻¹	標準モルエントロピー S° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準モル定圧熱容量 C_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
H₂S (g)	-20.63^[1]	-33.56^[1]	205.79^[1]	34.23^[1]
H₂S (ao)	-39.7^[1]	-27.83^[1]	121^[1]	–
Zn(OH)₂ (cr) γ	–	-553.81^[1]	–	–
Zn(OH)₂ (cr) β	-641.91^[1]	-553.52^[1]	81.2^[1]	–
Zn(OH)₂ (cr) ε	-643.25^[1]	-555.07^[1]	81.6^[1]	72.4^[1]
Zn(OH)₂ (cr) 沈殿物	-642.2^[1]	–	–	–
Zn(OH)₂ (ai)	-613.88^[1]	-461.56^[1]	-133.5^[1]	-251^[1]
Zn(OH)₂ (ao)	–	-522.73^[1]	–	–

* (g):気体, (ao):水溶液 (非解離状態), (cr):結晶性固体, (ai):水溶液 (解離状態)

生成物の熱力学データ

化学式	標準生成エンタルピー Δ_fH° kJ · mol⁻¹	標準生成ギブスエネルギー Δ_fG° kJ · mol⁻¹	標準モルエントロピー S° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準モル定圧熱容量 C_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
ZnS (cr)	-205.98^[1]	-201.29^[1]	57.7^[1]	46.0^[1]
H₂O (cr)	–	–	–	–
H₂O (l)	-285.830^[1]	-237.129^[1]	69.91^[1]	75.291^[1]
H₂O (g)	-241.818^[1]	-228.572^[1]	188.825^[1]	33.577^[1]

* (cr):結晶性固体, (l):液体, (g):気体

参考文献

参考文献一覧

1
Janiel J. Reed (1989)
The NBS Tables of Chemical Thermodynamic Properties: Selected Values for Inorganic and C1 and C2 Organic Substances in SI Units
https://doi.org/10.18434/M32124
National Institute of Standards and Technology (NIST)
引用リスト