ホーム
化学物質
塩素酸アンモニウム

塩素酸アンモニウム

更新日：2023/3/19

塩素酸アンモニウム（Ammonium chlorate）は，化学式 NH₄ClO₃ で表される無機化合物です。

名称

物質名称一覧

命名法

Nomenclature

名称

Name

代表的名称
Typical name: 塩素酸アンモニウム; Ammonium chlorate

組成命名法
Compositional nomenclature: 塩素酸アンモニウム; Ammonium chlorate

置換命名法
Substitutive nomenclature: 塩素酸アザニウム; Azanium chlorate

付加命名法
Additive nomenclature: テトラヒドリド窒素(1+)トリオキシド塩素酸(1−); Tetrahydridonitrogen(1+) trioxidochlorate(1−)

化学式と構造

化学式一覧

化学式名称

Formula name

化学式

Formula

代表的化学式
Typical formula: NH₄ClO₃

組成式
Compositional formula: NH₄ClO₃

構造式
Structural formula

構造式 (孤立電子対なし)
Structural formula with no lone pair

その他の構造式
Other structural formulas

電子式 (ルイス構造式)
Lewis structure

電子式 (ルイス構造式, 色付き)
Colored Lewis structure

物質情報

物質情報一覧

項目

Item

値

Value

名称
Name: 塩素酸アンモニウム; Ammonium chlorate

化学式
Formula: NH₄ClO₃

外観
Appearance: 無色の固体; Colorless solid

臭気
Odor: 無臭; Odorless

モル質量
Molar mass: 101.49 g/mol

密度
Density: –

融点
Melting point: –

沸点
Boiling point: –

構成要素

構成イオン

イオン Ion	名称 Name	電荷数 Charge number	個数 Number
NH₄⁺	アンモニウムイオン	1	1
ClO₃⁻	塩素酸イオン	-1	1

構成原子

原子 Atom	名称 Name	酸化数 Oxidation state	個数 Number
N	窒素	−3	1
H	水素	+1	4
Cl	塩素	+5	1
O	酸素	−2	3

原子の比率

原子 Atom	原子量 Atomic weight	個数 Number	原子比率 Atomic ratio	重量比率 Weight ratio
N	14.007	1	11.11%	13.80%
H	1.008	4	44.44%	3.97%
Cl	35.45	1	11.11%	34.93%
O	15.999	3	33.33%	47.29%

熱力学的性質

相転移特性

項目

Item

値

Value

融解熱
Enthalpy of fusion: –

蒸発熱
Enthalpy of vaporization: –

蒸発熱 (25°C)
Enthalpy of vaporization at 25°C: –

その他転移エンタルピー
Enthalpy of other transition: –

標準熱力学特性

状態 State	標準生成エンタルピー Δ_fH° kJ · mol⁻¹	標準生成ギブスエネルギー Δ_fG° kJ · mol⁻¹	標準モルエントロピー S° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準モル定圧熱容量 C_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
水溶液 (解離状態)	−236.48^[1]	−87.26^[1]	275.7^[1]	–

溶解度

溶解性

反応 Reactive

混和 Miscible

易溶 Very soluble: H₂O水

可溶 Soluble

微溶 Slightly soluble

難溶 Very slightly soluble

不溶 Insoluble

危険有害性

GHSラベル^[2]

項目

Item

値

Value

危険有害性絵表示
Hazard pictograms: GHS01: 爆発する爆弾

注意喚起語
Signal word: 危険

危険有害性情報
Hazard statements: H200: 不安定爆発物

物理的危険性^[2]

分類	区分	表示	危険有害性情報
爆発物	不安定爆発物	危険	H200: 不安定爆発物
引火性気体	分類対象外
エアゾール	分類対象外
酸化性気体	分類対象外
高圧ガス	分類対象外
引火性液体	分類対象外
引火性固体	分類不可 (データ不足)
自己反応性化学品	分類対象外
自然発火性液体	分類対象外
自然発火性固体	分類不可 (データ不足)
自己発熱性化学品	分類不可 (データ不足)
水反応引火性化学品	分類対象外
酸化性液体	分類対象外
酸化性固体	分類不可 (データ不足)
有機過酸化物	分類対象外
金属腐食性物質	分類不可 (データ不足)
鈍性化爆発物	データなし

健康有害性^[2]

分類	区分	表示	危険有害性情報
急性経口毒性	分類不可 (データ不足)
急性経皮毒性	分類不可 (データ不足)
急性吸入毒性 (気体)	分類対象外
急性吸入毒性 (蒸気)	分類不可 (データ不足)
急性吸入毒性 (粉塵・ミスト)	分類不可 (データ不足)
皮膚腐食性/刺激性	分類不可 (データ不足)
重篤な眼損傷性/眼刺激性	分類不可 (データ不足)
呼吸器感作性	分類不可 (データ不足)
皮膚感作性	分類不可 (データ不足)
生殖細胞変異原性	分類不可 (データ不足)
発がん性	分類不可 (データ不足)
生殖毒性	分類不可 (データ不足)
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)	分類不可 (データ不足)
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)	分類不可 (データ不足)
誤えん有害性	分類不可 (データ不足)

環境有害性^[2]

分類	区分	表示	危険有害性情報
水生環境有害性 (短期)	分類不可 (データ不足)
水生環境有害性 (長期)	分類不可 (データ不足)
オゾン層への有害性	データなし

製法

酸と塩基の反応

塩素酸とアンモニアが反応すると，塩素酸アンモニウムが生成します。

塩素酸とアンモニアの反応 ◆ Δ_rG −52.81 kJ/mol K 1.79 × 10⁹ pK −9.25: HClO₃塩素酸 + NH₃アンモニア
⟶
NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム

弱酸の塩と強酸の反応

弱酸の塩と強酸が反応すると，塩素酸アンモニウムが生成する場合があります。

リン酸アンモニウムと塩素酸の反応 ◆ Δ_rG −123.9 kJ/mol K 5.09 × 10²¹ pK −21.71: (NH₄)₃PO₄リン酸アンモニウム + 3HClO₃塩素酸
⟶
3NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム + H₃PO₄リン酸

クロム酸アンモニウムと塩素酸の反応: (NH₄)₂CrO₄クロム酸アンモニウム + 2HClO₃塩素酸
⟶
2NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム + H₂CrO₄クロム酸

二クロム酸アンモニウムと塩素酸の反応: (NH₄)₂Cr₂O₇二クロム酸アンモニウム + 2HClO₃塩素酸
⟶
2NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム + H₂Cr₂O₇二クロム酸

ヒ酸アンモニウムと塩素酸の反応 ◆ Δ_rG −117.6 kJ/mol K 4.01 × 10²⁰ pK −20.60: (NH₄)₃AsO₄ヒ酸アンモニウム + 3HClO₃塩素酸
⟶
3NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム + H₃AsO₄ヒ酸

チオシアン酸アンモニウムと塩素酸の反応 ◆ Δ_rG 4.85 kJ/mol K 0.14 × 10⁰ pK 0.85: NH₄SCNチオシアン酸アンモニウム + HClO₃塩素酸
⟶
NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム + HSCNチオシアン酸

分解反応

熱分解性物質が分解すると，塩素酸アンモニウムが生成する場合があります。

過塩素酸アンモニウムの分解 ◆ Δ_rG 1.14 kJ/mol K 0.63 × 10⁰ pK 0.20: 2NH₄ClO₄過塩素酸アンモニウム
🔥
⟶
2NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム + O₂↑酸素

過塩素酸アンモニウムの分解 ◆ Δ_rG 164.9 kJ/mol K 0.13 × 10⁻²⁸ pK 28.89: 3NH₄ClO₄過塩素酸アンモニウム
🔥
⟶
3NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム + O₃↑オゾン

過塩素酸アンモニウムの分解 ◆ Δ_rG −206.7 kJ/mol K 1.63 × 10³⁶ pK −36.21: 3NH₄ClO₄過塩素酸アンモニウム
🔥
⟶
HNO₂亜硝酸 + 2NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム + HClO₃塩素酸 + H₂O水

過塩素酸アンモニウムの分解 ◆ Δ_rG −188.4 kJ/mol K 1.01 × 10³³ pK −33.01: 3NH₄ClO₄過塩素酸アンモニウム
🔥
⟶
NH₄NO₂亜硝酸アンモニウム + NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム + 2HClO₃塩素酸 + H₂O水

化学反応

電離反応

塩素酸アンモニウムが電離すると，アンモニウムイオンと塩素酸イオンが生成します。

塩素酸アンモニウムの電離: NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム
⟶
NH₄⁺アンモニウムイオン + ClO₃⁻塩素酸イオン

強塩基との反応

塩素酸アンモニウムと強塩基が反応すると，強塩基の塩とアンモニア，水が生成します。

塩素酸アンモニウムと水酸化ナトリウムの反応 ◆ Δ_rG −17.01 kJ/mol K 9.55 × 10² pK −2.98: NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム + NaOH水酸化ナトリウム
⟶
NaClO₃塩素酸ナトリウム + NH₃↑アンモニア + H₂O水

塩素酸アンモニウムと水酸化カリウムの反応 ◆ Δ_rG −17.04 kJ/mol K 9.67 × 10² pK −2.99: NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム + KOH水酸化カリウム
⟶
KClO₃塩素酸カリウム + NH₃↑アンモニア + H₂O水

塩素酸アンモニウムと水酸化カルシウムの反応: 2NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム + Ca(OH)₂水酸化カルシウム
⟶
Ca(ClO₃)₂塩素酸カルシウム + 2NH₃↑アンモニア + 2H₂O水

塩素酸アンモニウムと水酸化ルビジウムの反応 ◆ Δ_rG −16.96 kJ/mol K 9.36 × 10² pK −2.97: NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム + RbOH水酸化ルビジウム
⟶
RbClO₃塩素酸ルビジウム + NH₃↑アンモニア + H₂O水

塩素酸アンモニウムと水酸化セシウムの反応 ◆ Δ_rG −17.04 kJ/mol K 9.67 × 10² pK −2.99: NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム + CsOH水酸化セシウム
⟶
CsClO₃塩素酸セシウム + NH₃↑アンモニア + H₂O水

酸化性化学種との反応

塩素酸アンモニウムと酸化性化学種が反応すると，種々の生成物が生成します。

塩素酸アンモニウムと酸素の反応 ◆ Δ_rG −1050.2 kJ/mol K 9.71 × 10¹⁸³ pK −183.99: 4NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム + 9O₂酸素
⟶
4NO₂二酸化窒素 + 4HClO₄過塩素酸 + 6H₂O水

塩素酸アンモニウムと酸素の反応 ◆ Δ_rG −1015.1 kJ/mol K 6.88 × 10¹⁷⁷ pK −177.84: 4NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム + 7O₂酸素
⟶
4NO₂二酸化窒素 + 4HClO₃塩素酸 + 6H₂O水

還元性化学種との反応

還元性化学種と塩素酸アンモニウムが反応すると，種々の生成物が生成します。

水素と塩素酸アンモニウムの反応 ◆ Δ_rG −887.4 kJ/mol K 2.92 × 10¹⁵⁵ pK −155.47: 3H₂水素 + NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム
⟶
NH₄Cl塩化アンモニウム + 3H₂O水

水素と塩素酸アンモニウムの反応 ◆ Δ_rG −1369.2 kJ/mol K 7.47 × 10²³⁹ pK −239.87: 5H₂水素 + 2NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム
⟶
Cl₂塩素 + 2NH₃アンモニア + 6H₂O水

硫化水素と塩素酸アンモニウムの反応 ◆ Δ_rG −751.16 kJ/mol K 3.96 × 10¹³¹ pK −131.60: 3H₂S硫化水素 + NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム
⟶
3S硫黄 + NH₄Cl塩化アンモニウム + 3H₂O水

硫化水素と塩素酸アンモニウムの反応 ◆ Δ_rG −2643.14 kJ/mol K 1.14 × 10⁴⁶³ pK −463.06: 3H₂S硫化水素 + 4NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム
⟶
3H₂SO₄硫酸 + 4NH₄Cl塩化アンモニウム

被還元性化学種との反応

塩素酸アンモニウムと被還元性化学種が反応すると，種々の生成物が生成します。

塩素酸アンモニウムとヨウ素の反応 ◆ Δ_rG 119.62 kJ/mol K 0.11 × 10⁻²⁰ pK 20.96: 2NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム + 3I₂ヨウ素
⟶
N₂↑窒素 + 6HI↑ヨウ化水素 + 2HClO₃塩素酸

塩素酸アンモニウムとヨウ素の反応 ◆ Δ_rG −200.00 kJ/mol K 1.09 × 10³⁵ pK −35.04: 8NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム + 3I₂ヨウ素
⟶
N₂↑窒素 + 6NH₄Iヨウ化アンモニウム + 8HClO₃塩素酸

被酸化性化学種との反応

被酸化性化学種と塩素酸アンモニウムが反応すると，種々の生成物が生成します。

銅と塩素酸アンモニウムの反応 ◆ Δ_rG −512.4 kJ/mol K 5.87 × 10⁸⁹ pK −89.77: 3Cu銅 + NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム
⟶
3CuO酸化銅(II) + NH₄Cl塩化アンモニウム

銅と塩素酸アンモニウムの反応 ◆ Δ_rG −561.3 kJ/mol K 2.17 × 10⁹⁸ pK −98.34: 6Cu銅 + NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム
⟶
3Cu₂O酸化銅(I) + NH₄Cl塩化アンモニウム

ヨウ化カリウムと塩素酸アンモニウムの反応 ◆ Δ_rG −199.6 kJ/mol K 9.30 × 10³⁴ pK −34.97: KIヨウ化カリウム + NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム
⟶
KIO₃ヨウ素酸カリウム + NH₄Cl塩化アンモニウム

ヨウ化カリウムと塩素酸アンモニウムの反応 ◆ Δ_rG −668.3 kJ/mol K 1.21 × 10¹¹⁷ pK −117.08: 5KIヨウ化カリウム + 6NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム
⟶
5KIO₃ヨウ素酸カリウム + 3Cl₂↑塩素 + 6NH₃↑アンモニア + 3H₂O水

被酸化性化学種との反応 (酸性条件下)

被酸化性化学種と塩素酸アンモニウム，水素イオンが反応すると，種々の生成物が生成します。

銅と塩素酸アンモニウムの反応 (酸性条件下) ◆ Δ_rG −638.18 kJ/mol K 6.37 × 10¹¹¹ pK −111.80: 3Cu銅 + NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム + 6H⁺水素イオン
⟶
3Cu²⁺銅(II)イオン + NH₄Cl塩化アンモニウム + 3H₂O水

銅と塩素酸アンモニウムの反応 (酸性条件下) ◆ Δ_rG −1079.42 kJ/mol K 1.28 × 10¹⁸⁹ pK −189.11: 5Cu銅 + 2NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム + 12H⁺水素イオン
⟶
5Cu²⁺銅(II)イオン + Cl₂↑塩素 + 2NH₄⁺アンモニウムイオン + 6H₂O水

ヨウ化カリウムと塩素酸アンモニウムの反応 (酸性条件下) ◆ Δ_rG −475.97 kJ/mol K 2.43 × 10⁸³ pK −83.39: 6KIヨウ化カリウム + NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム + 6H⁺水素イオン
⟶
6K⁺カリウムイオン + 3I₂ヨウ素 + NH₄Cl塩化アンモニウム + 3H₂O水

ヨウ化カリウムと塩素酸アンモニウムの反応 (酸性条件下) ◆ Δ_rG −809.07 kJ/mol K 5.53 × 10¹⁴¹ pK −141.74: 10KIヨウ化カリウム + 2NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム + 12H⁺水素イオン
⟶
10K⁺カリウムイオン + 5I₂ヨウ素 + Cl₂↑塩素 + 2NH₄⁺アンモニウムイオン + 6H₂O水

被酸化性化学種との反応 (中性条件下)

被酸化性化学種と塩素酸アンモニウム，水が反応すると，種々の生成物が生成します。

銅と塩素酸アンモニウムの反応 (中性条件下) ◆ Δ_rG −352.8 kJ/mol K 6.43 × 10⁶¹ pK −61.81: 6Cu銅 + 2NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム + 4H₂O水
⟶
CuCl₂塩化銅(II) + 5Cu(OH)₂水酸化銅(II) + 2NH₃↑アンモニア

銅と塩素酸アンモニウムの反応 (中性条件下) ◆ Δ_rG −158.90 kJ/mol K 6.89 × 10²⁷ pK −27.84: 3Cu銅 + NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム + 3H₂O水
⟶
3Cu(OH)₂水酸化銅(II) + NH₄Cl塩化アンモニウム

ヨウ化カリウムと塩素酸アンモニウムの反応 (中性条件下) ◆ Δ_rG −13.62 kJ/mol K 2.43 × 10² pK −2.39: 6KIヨウ化カリウム + NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム + 2H₂O水
🔥
⟶
KCl塩化カリウム + 5KOH水酸化カリウム + 3I₂ヨウ素 + NH₃↑アンモニア

ヨウ化カリウムと塩素酸アンモニウムの反応 (中性条件下) ◆ Δ_rG 38.6 kJ/mol K 0.17 × 10⁻⁶ pK 6.76: 4KIヨウ化カリウム + NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム + H₂O水
🔥
⟶
KClO次亜塩素酸カリウム + 3KOH水酸化カリウム + 2I₂ヨウ素 + NH₃↑アンモニア

酸化鉄(II)と塩素酸アンモニウムの反応 (中性条件下): 6FeO酸化鉄(II) + NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム + 9H₂O水
⟶
6Fe(OH)₃水酸化鉄(III) + NH₄Cl塩化アンモニウム

沈殿反応

水溶液中に特定の化学種が存在すると，塩素酸アンモニウムと反応して沈殿が生成します。

塩素酸アンモニウムと過マンガン酸ナトリウムの反応: NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム + NaMnO₄過マンガン酸ナトリウム
💧
⟶
NH₄MnO₄↓過マンガン酸アンモニウム + NaClO₃塩素酸ナトリウム

塩素酸アンモニウムと過マンガン酸の反応: NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム + HMnO₄過マンガン酸
💧
⟶
NH₄MnO₄↓過マンガン酸アンモニウム + HClO₃塩素酸

塩素酸アンモニウムと過マンガン酸カリウムの反応: NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム + KMnO₄過マンガン酸カリウム
💧
⟶
NH₄MnO₄↓過マンガン酸アンモニウム + KClO₃塩素酸カリウム

塩素酸アンモニウムと過マンガン酸カルシウムの反応: 2NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム + Ca(MnO₄)₂過マンガン酸カルシウム
💧
⟶
2NH₄MnO₄↓過マンガン酸アンモニウム + Ca(ClO₃)₂塩素酸カルシウム

分解反応

塩素酸アンモニウムが分解すると，アンモニアと塩素酸が生成します。

塩素酸アンモニウムの分解: NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム
🔥|️☀️
⟶
NH₂OHヒドロキシルアミン + HClO₂亜塩素酸

塩素酸アンモニウムの分解 ◆ Δ_rG −124.97 kJ/mol K 7.83 × 10²¹ pK −21.89: 4NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム
🔥|️☀️
⟶
3NH₄ClO₄過塩素酸アンモニウム + NH₄Cl塩化アンモニウム

塩素酸アンモニウムの分解 ◆ Δ_rG 62.86 kJ/mol K 0.97 × 10⁻¹¹ pK 11.01: NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム
🔥|️☀️
⟶
NH₃↑アンモニア + HClO₃塩素酸

水溶液の電気分解

塩素酸アンモニウム水溶液を電気分解すると，種々の生成物が生成します。

塩素酸アンモニウム水溶液の電気分解 (水≠反応物) ◆ Δ_rG −47.98 kJ/mol K 2.55 × 10⁸ pK −8.41: 2NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム
💧⚡
⟶
2HNO₃硝酸 + Cl₂↑塩素 + 3H₂↑水素

塩素酸アンモニウム水溶液の電気分解 (水≠反応物) ◆ Δ_rG −600.90 kJ/mol K 1.88 × 10¹⁰⁵ pK −105.27: 2NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム
💧⚡
⟶
2NO↑一酸化窒素 + Cl₂↑塩素 + 4H₂O水

塩素酸アンモニウム水溶液の電気分解 (水=非酸化還元剤) ◆ Δ_rG 236.56 kJ/mol K 0.36 × 10⁻⁴¹ pK 41.44: NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム + H₂O水
💧⚡
⟶
NH₄ClO₄過塩素酸アンモニウム + H₂↑水素

塩素酸アンモニウム水溶液の電気分解 (水=酸化剤) ◆ Δ_rG 1682.87 kJ/mol K 0.15 × 10⁻²⁹⁴ pK 294.83: 2NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム + 6H₂O水
💧⚡
⟶
2NO₂↑二酸化窒素 + 2HClO₄過塩素酸 + 9H₂↑水素

塩素酸アンモニウム水溶液の電気分解 (水=酸化剤) ◆ Δ_rG 1279.10 kJ/mol K 0.82 × 10⁻²²⁴ pK 224.09: 2NH₄ClO₃塩素酸アンモニウム + 4H₂O水
💧⚡
⟶
2NO↑一酸化窒素 + 2HClO₄過塩素酸 + 7H₂↑水素

参考文献

参考文献一覧

1
Janiel J. Reed (1989)
The NBS Tables of Chemical Thermodynamic Properties: Selected Values for Inorganic and C1 and C2 Organic Substances in SI Units
https://doi.org/10.18434/M32124
National Institute of Standards and Technology (NIST)
引用リスト
2
化学物質管理センター
GHS分類結果
https://www.nite.go.jp/chem/ghs/all_fy.html
独立行政法人製品評価技術基盤機構
引用リスト

Δ_rG	−52.81 kJ/mol
K	1.79 × 10⁹
pK	−9.25

Δ_rG	−123.9 kJ/mol
K	5.09 × 10²¹
pK	−21.71

Δ_rG	−117.6 kJ/mol
K	4.01 × 10²⁰
pK	−20.60

Δ_rG	4.85 kJ/mol
K	0.14 × 10⁰
pK	0.85

塩素酸アンモニウム

名称

物質名称一覧

化学式と構造

化学式一覧

物質情報

物質情報一覧

構成要素

構成イオン

構成原子

原子の比率

熱力学的性質

相転移特性

標準熱力学特性

溶解度

溶解性

危険有害性

GHSラベル[2]

物理的危険性[2]

健康有害性[2]

環境有害性[2]

製法

酸と塩基の反応

弱酸の塩と強酸の反応

分解反応

化学反応

電離反応

強塩基との反応

酸化性化学種との反応

還元性化学種との反応

被還元性化学種との反応

被酸化性化学種との反応

被酸化性化学種との反応 (酸性条件下)

被酸化性化学種との反応 (中性条件下)

沈殿反応

分解反応

水溶液の電気分解

参考文献

参考文献一覧

関連物質

アンモニウムの塩素オキソ酸塩

酸

塩基

関連カテゴリ

構成元素による分類

物質の分類

物質の状態

物質の性質

物質の溶解性

物質の色

物質のにおい

GHSラベル^[2]

物理的危険性^[2]

健康有害性^[2]

環境有害性^[2]