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化学反応
10HCN + 11O2 → 4N2 + 2NH4HCO3 + 8CO2

10HCN + 11O₂ → 4N₂ + 2NH₄HCO₃ + 8CO₂

更新日：2022/6/13

シアン化水素と酸素の反応: 10HCNシアン化水素 + 11O₂酸素
⟶
4N₂窒素 + 2NH₄HCO₃炭酸水素アンモニウム + 8CO₂二酸化炭素

シアン化水素と酸素が反応すると，窒素と炭酸水素アンモニウム，二酸化炭素が生成します（その他の反応はこちら）。この反応は酸化還元反応で，

還元性化学種と酸化性化学種の反応

に分類されます。

目次

化学反応情報

化学反応式

シアン化水素と酸素の反応: 10HCNシアン化水素 + 11O₂酸素
⟶
4N₂窒素 + 2NH₄HCO₃炭酸水素アンモニウム + 8CO₂二酸化炭素

一般反応式

還元性化学種と酸化性化学種の反応: 還元性化学種還元剤 + 酸化性化学種酸化剤
⟶
生成物酸化生成物 + 生成物還元生成物

各原子の酸化数

シアン化水素と酸素の反応

反応物

化学式	名称	係数	分類	一般反応式における分類
HCN	シアン化水素	10	還元剤	還元性
O₂	酸素	11	酸化剤	酸化性

生成物

化学式	名称	係数	分類	一般反応式における分類
N₂	窒素	4	酸化生成物	–
NH₄HCO₃	炭酸水素アンモニウム	2	酸化還元生成物	–
CO₂	二酸化炭素	8	酸化還元生成物	–

熱力学的変化

標準状態における変化

シアン化水素と酸素の反応 ◆ Δ_rG −5736.4 kJ/mol K 9.41 × 10¹⁰⁰⁴ pK −1004.97: 10HCN液体 + 11O₂気体
⟶
4N₂気体 + 2NH₄HCO₃結晶性固体 + 8CO₂気体

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−5935.6	−5736.4	−666.8	–
シアン化水素 1 mol あたり	−593.56	−573.64	−66.68	–
酸素 1 mol あたり	−539.60	−521.49	−60.62	–
窒素 1 mol あたり	−1483.9	−1434.1	−166.7	–
炭酸水素アンモニウム 1 mol あたり	−2967.8	−2868.2	−333.4	–
二酸化炭素 1 mol あたり	−741.95	−717.05	−83.35	–

水溶液における変化 (1)

シアン化水素と酸素の反応 ◆ Δ_rG −6391.4 kJ/mol K 5.31 × 10¹¹¹⁹ pK −1119.72: 10HCN水溶液 (解離状態) + 11O₂水溶液 (非解離状態)
⟶
4N₂気体 + 2NH₄HCO₃水溶液 (解離状態) + 8CO₂気体

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−6174.4	−6391.4	724.7	–
シアン化水素 1 mol あたり	−617.44	−639.14	72.47	–
酸素 1 mol あたり	−561.31	−581.04	65.88	–
窒素 1 mol あたり	−1543.6	−1597.8	181.2	–
炭酸水素アンモニウム 1 mol あたり	−3087.2	−3195.7	362.4	–
二酸化炭素 1 mol あたり	−771.80	−798.92	90.59	–

水溶液における変化 (2)

シアン化水素と酸素の反応 ◆ Δ_rG −6324.4 kJ/mol K 9.70 × 10¹¹⁰⁷ pK −1107.99: 10HCN水溶液 (解離状態) + 11O₂水溶液 (非解離状態)
⟶
4N₂気体 + 2NH₄HCO₃水溶液 (解離状態) + 8CO₂水溶液 (非解離状態)

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−6336.7	−6324.4	−44.5	–
シアン化水素 1 mol あたり	−633.67	−632.44	−4.45	–
酸素 1 mol あたり	−576.06	−574.95	−4.05	–
窒素 1 mol あたり	−1584.2	−1581.1	−11.1	–
炭酸水素アンモニウム 1 mol あたり	−3168.3	−3162.2	−22.3	–
二酸化炭素 1 mol あたり	−792.09	−790.55	−5.56	–

水溶液における変化 (3)

シアン化水素と酸素の反応: 10HCN水溶液 (解離状態) + 11O₂水溶液 (非解離状態)
⟶
4N₂気体 + 2NH₄HCO₃水溶液 + 8CO₂気体

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−6168.8	–	–	–
シアン化水素 1 mol あたり	−616.88	–	–	–
酸素 1 mol あたり	−560.80	–	–	–
窒素 1 mol あたり	−1542.2	–	–	–
炭酸水素アンモニウム 1 mol あたり	−3084.4	–	–	–
二酸化炭素 1 mol あたり	−771.10	–	–	–

水溶液における変化 (4)

シアン化水素と酸素の反応: 10HCN水溶液 (解離状態) + 11O₂水溶液 (非解離状態)
⟶
4N₂気体 + 2NH₄HCO₃水溶液 + 8CO₂水溶液 (非解離状態)

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−6331.1	–	–	–
シアン化水素 1 mol あたり	−633.11	–	–	–
酸素 1 mol あたり	−575.55	–	–	–
窒素 1 mol あたり	−1582.8	–	–	–
炭酸水素アンモニウム 1 mol あたり	−3165.6	–	–	–
二酸化炭素 1 mol あたり	−791.39	–	–	–

水溶液における変化 (5)

シアン化水素と酸素の反応 ◆ Δ_rG −5864.4 kJ/mol K 2.50 × 10¹⁰²⁷ pK −1027.40: 10HCN水溶液 (非解離状態) + 11O₂水溶液 (非解離状態)
⟶
4N₂気体 + 2NH₄HCO₃水溶液 (解離状態) + 8CO₂気体

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−5739.4	−5864.4	418.7	–
シアン化水素 1 mol あたり	−573.94	−586.44	41.87	–
酸素 1 mol あたり	−521.76	−533.13	38.06	–
窒素 1 mol あたり	−1434.8	−1466.1	104.7	–
炭酸水素アンモニウム 1 mol あたり	−2869.7	−2932.2	209.3	–
二酸化炭素 1 mol あたり	−717.42	−733.05	52.34	–

水溶液における変化 (6)

シアン化水素と酸素の反応 ◆ Δ_rG −5797.4 kJ/mol K 4.58 × 10¹⁰¹⁵ pK −1015.66: 10HCN水溶液 (非解離状態) + 11O₂水溶液 (非解離状態)
⟶
4N₂気体 + 2NH₄HCO₃水溶液 (解離状態) + 8CO₂水溶液 (非解離状態)

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−5901.7	−5797.4	−350.5	–
シアン化水素 1 mol あたり	−590.17	−579.74	−35.05	–
酸素 1 mol あたり	−536.52	−527.04	−31.86	–
窒素 1 mol あたり	−1475.4	−1449.3	−87.63	–
炭酸水素アンモニウム 1 mol あたり	−2950.8	−2898.7	−175.3	–
二酸化炭素 1 mol あたり	−737.71	−724.67	−43.81	–

水溶液における変化 (7)

シアン化水素と酸素の反応: 10HCN水溶液 (非解離状態) + 11O₂水溶液 (非解離状態)
⟶
4N₂気体 + 2NH₄HCO₃水溶液 + 8CO₂気体

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−5733.8	–	–	–
シアン化水素 1 mol あたり	−573.38	–	–	–
酸素 1 mol あたり	−521.25	–	–	–
窒素 1 mol あたり	−1433.5	–	–	–
炭酸水素アンモニウム 1 mol あたり	−2866.9	–	–	–
二酸化炭素 1 mol あたり	−716.73	–	–	–

水溶液における変化 (8)

シアン化水素と酸素の反応: 10HCN水溶液 (非解離状態) + 11O₂水溶液 (非解離状態)
⟶
4N₂気体 + 2NH₄HCO₃水溶液 + 8CO₂水溶液 (非解離状態)

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−5896.1	–	–	–
シアン化水素 1 mol あたり	−589.61	–	–	–
酸素 1 mol あたり	−536.01	–	–	–
窒素 1 mol あたり	−1474.0	–	–	–
炭酸水素アンモニウム 1 mol あたり	−2948.1	–	–	–
二酸化炭素 1 mol あたり	−737.01	–	–	–

反応物の熱力学データ

化学式	標準生成エンタルピー Δ_fH° kJ · mol⁻¹	標準生成ギブスエネルギー Δ_fG° kJ · mol⁻¹	標準モルエントロピー S° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準モル定圧熱容量 C_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
HCN (l)	108.87^[1]	124.97^[1]	112.84^[1]	70.63^[1]
HCN (g)	135.1^[1]	124.7^[1]	201.78^[1]	35.86^[1]
HCN (ai)	150.6^[1]	172.4^[1]	94.1^[1]	–
HCN (ao)	107.1^[1]	119.7^[1]	124.7^[1]	–
O₂ (g)	0^[1]	0^[1]	205.138^[1]	29.355^[1]
O₂ (ao)	-11.7^[1]	16.4^[1]	110.9^[1]	–

* (l):液体, (g):気体, (ai):水溶液 (解離状態), (ao):水溶液 (非解離状態)

生成物の熱力学データ

化学式	標準生成エンタルピー Δ_fH° kJ · mol⁻¹	標準生成ギブスエネルギー Δ_fG° kJ · mol⁻¹	標準モルエントロピー S° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準モル定圧熱容量 C_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
N₂ (g)	0^[1]	0^[1]	191.61^[1]	29.125^[1]
NH₄HCO₃ (cr)	-849.4^[1]	-665.9^[1]	120.9^[1]	–
NH₄HCO₃ (ai)	-824.50^[1]	-666.07^[1]	204.6^[1]	–
NH₄HCO₃ (aq)	-821.7^[1]	–	–	–
CO₂ (g)	-393.509^[1]	-394.359^[1]	213.74^[1]	37.11^[1]
CO₂ (ao)	-413.80^[1]	-385.98^[1]	117.6^[1]	–

* (g):気体, (cr):結晶性固体, (ai):水溶液 (解離状態), (aq):水溶液, (ao):水溶液 (非解離状態)

参考文献

参考文献一覧

1
Janiel J. Reed (1989)
The NBS Tables of Chemical Thermodynamic Properties: Selected Values for Inorganic and C1 and C2 Organic Substances in SI Units
https://doi.org/10.18434/M32124
National Institute of Standards and Technology (NIST)
引用リスト