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化学反応
2HCN + 4O2 → N2O3 + 2CO2 + H2O

2HCN + 4O₂ → N₂O₃ + 2CO₂ + H₂O

更新日：2022/6/13

シアン化水素と酸素の反応: 2HCNシアン化水素 + 4O₂酸素
⟶
N₂O₃三酸化二窒素 + 2CO₂二酸化炭素 + H₂O水

シアン化水素と酸素が反応すると，三酸化二窒素と二酸化炭素，水が生成します（その他の反応はこちら）。この反応は酸化還元反応で，

還元性化学種と酸化性化学種の反応

に分類されます。

目次

化学反応情報

化学反応式

シアン化水素と酸素の反応: 2HCNシアン化水素 + 4O₂酸素
⟶
N₂O₃三酸化二窒素 + 2CO₂二酸化炭素 + H₂O水

一般反応式

還元性化学種と酸化性化学種の反応: 還元性化学種還元剤 + 酸化性化学種酸化剤
⟶
生成物酸化生成物 + 生成物還元生成物

各原子の酸化数

シアン化水素と酸素の反応

反応物

化学式	名称	係数	分類	一般反応式における分類
HCN	シアン化水素	2	還元剤	還元性
O₂	酸素	4	酸化剤	酸化性

生成物

化学式	名称	係数	分類	一般反応式における分類
N₂O₃	三酸化二窒素	1	酸化還元生成物	–
CO₂	二酸化炭素	2	酸化還元生成物	–
H₂O	水	1	還元生成物	–

熱力学的変化

標準状態における変化

シアン化水素と酸素の反応 ◆ Δ_rG −1136.33 kJ/mol K 1.19 × 10¹⁹⁹ pK −199.08: 2HCN液体 + 4O₂気体
⟶
N₂O₃気体 + 2CO₂気体 + H₂O液体

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−1206.87	−1136.33	−236.56	−43.56
シアン化水素 1 mol あたり	−603.435	−568.165	−118.28	−21.78
酸素 1 mol あたり	−301.717	−284.082	−59.140	−10.89
三酸化二窒素 1 mol あたり	−1206.87	−1136.33	−236.56	−43.56
二酸化炭素 1 mol あたり	−603.435	−568.165	−118.28	−21.78
水 1 mol あたり	−1206.87	−1136.33	−236.56	−43.56

水溶液における変化 (1)

シアン化水素と酸素の反応 ◆ Δ_rG −1296.8 kJ/mol K 1.55 × 10²²⁷ pK −227.19: 2HCN水溶液 (解離状態) + 4O₂水溶液 (非解離状態)
⟶
N₂O₃気体 + 2CO₂気体 + H₂O液体

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−1243.5	−1296.8	177.9	–
シアン化水素 1 mol あたり	−621.75	−648.40	88.95	–
酸素 1 mol あたり	−310.88	−324.20	44.48	–
三酸化二窒素 1 mol あたり	−1243.5	−1296.8	177.9	–
二酸化炭素 1 mol あたり	−621.75	−648.40	88.95	–
水 1 mol あたり	−1243.5	−1296.8	177.9	–

水溶液における変化 (2)

シアン化水素と酸素の反応 ◆ Δ_rG −1280.0 kJ/mol K 1.76 × 10²²⁴ pK −224.25: 2HCN水溶液 (解離状態) + 4O₂水溶液 (非解離状態)
⟶
N₂O₃気体 + 2CO₂水溶液 (非解離状態) + H₂O液体

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−1284.1	−1280.0	−14.4	–
シアン化水素 1 mol あたり	−642.05	−640.00	−7.20	–
酸素 1 mol あたり	−321.02	−320.00	−3.60	–
三酸化二窒素 1 mol あたり	−1284.1	−1280.0	−14.4	–
二酸化炭素 1 mol あたり	−642.05	−640.00	−7.20	–
水 1 mol あたり	−1284.1	−1280.0	−14.4	–

水溶液における変化 (3)

シアン化水素と酸素の反応 ◆ Δ_rG −1191.4 kJ/mol K 5.30 × 10²⁰⁸ pK −208.72: 2HCN水溶液 (非解離状態) + 4O₂水溶液 (非解離状態)
⟶
N₂O₃気体 + 2CO₂気体 + H₂O液体

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−1156.5	−1191.4	116.7	–
シアン化水素 1 mol あたり	−578.25	−595.70	58.35	–
酸素 1 mol あたり	−289.13	−297.85	29.18	–
三酸化二窒素 1 mol あたり	−1156.5	−1191.4	116.7	–
二酸化炭素 1 mol あたり	−578.25	−595.70	58.35	–
水 1 mol あたり	−1156.5	−1191.4	116.7	–

水溶液における変化 (4)

シアン化水素と酸素の反応 ◆ Δ_rG −1174.6 kJ/mol K 6.04 × 10²⁰⁵ pK −205.78: 2HCN水溶液 (非解離状態) + 4O₂水溶液 (非解離状態)
⟶
N₂O₃気体 + 2CO₂水溶液 (非解離状態) + H₂O液体

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−1197.1	−1174.6	−75.6	–
シアン化水素 1 mol あたり	−598.55	−587.30	−37.8	–
酸素 1 mol あたり	−299.27	−293.65	−18.9	–
三酸化二窒素 1 mol あたり	−1197.1	−1174.6	−75.6	–
二酸化炭素 1 mol あたり	−598.55	−587.30	−37.8	–
水 1 mol あたり	−1197.1	−1174.6	−75.6	–

反応物の熱力学データ

化学式	標準生成エンタルピー Δ_fH° kJ · mol⁻¹	標準生成ギブスエネルギー Δ_fG° kJ · mol⁻¹	標準モルエントロピー S° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準モル定圧熱容量 C_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
HCN (l)	108.87^[1]	124.97^[1]	112.84^[1]	70.63^[1]
HCN (g)	135.1^[1]	124.7^[1]	201.78^[1]	35.86^[1]
HCN (ai)	150.6^[1]	172.4^[1]	94.1^[1]	–
HCN (ao)	107.1^[1]	119.7^[1]	124.7^[1]	–
O₂ (g)	0^[1]	0^[1]	205.138^[1]	29.355^[1]
O₂ (ao)	-11.7^[1]	16.4^[1]	110.9^[1]	–

* (l):液体, (g):気体, (ai):水溶液 (解離状態), (ao):水溶液 (非解離状態)

生成物の熱力学データ

化学式	標準生成エンタルピー Δ_fH° kJ · mol⁻¹	標準生成ギブスエネルギー Δ_fG° kJ · mol⁻¹	標準モルエントロピー S° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準モル定圧熱容量 C_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
N₂O₃ (l)	50.29^[1]	–	–	–
N₂O₃ (g)	83.72^[1]	139.46^[1]	312.28^[1]	65.61^[1]
CO₂ (g)	-393.509^[1]	-394.359^[1]	213.74^[1]	37.11^[1]
CO₂ (ao)	-413.80^[1]	-385.98^[1]	117.6^[1]	–
H₂O (cr)	–	–	–	–
H₂O (l)	-285.830^[1]	-237.129^[1]	69.91^[1]	75.291^[1]
H₂O (g)	-241.818^[1]	-228.572^[1]	188.825^[1]	33.577^[1]

* (l):液体, (g):気体, (ao):水溶液 (非解離状態), (cr):結晶性固体

参考文献

参考文献一覧

1
Janiel J. Reed (1989)
The NBS Tables of Chemical Thermodynamic Properties: Selected Values for Inorganic and C1 and C2 Organic Substances in SI Units
https://doi.org/10.18434/M32124
National Institute of Standards and Technology (NIST)
引用リスト