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化学反応
4HCl + Na2MnO4 → Cl2 + MnO2 + 2NaCl + 2H2O

4HCl + Na₂MnO₄ → Cl₂ + MnO₂ + 2NaCl + 2H₂O

更新日：2022/6/13

塩化水素とマンガン酸ナトリウムの反応: 4HCl塩化水素 + Na₂MnO₄マンガン酸ナトリウム
⟶
Cl₂塩素 + MnO₂酸化マンガン(IV) + 2NaCl塩化ナトリウム + 2H₂O水

塩化水素とマンガン酸ナトリウムが反応すると，塩素と酸化マンガン(IV)，塩化ナトリウム，水が生成します（その他の反応はこちら）。この反応は酸化還元反応で，

難酸化性化学種と酸化性化学種の反応

に分類されます。

目次

化学反応情報

化学反応式

塩化水素とマンガン酸ナトリウムの反応: 4HCl塩化水素 + Na₂MnO₄マンガン酸ナトリウム
⟶
Cl₂塩素 + MnO₂酸化マンガン(IV) + 2NaCl塩化ナトリウム + 2H₂O水

一般反応式

難酸化性化学種と酸化性化学種の反応: 難酸化性化学種還元剤 + 酸化性化学種酸化剤
⟶
生成物酸化生成物 + 生成物還元生成物

各原子の酸化数

塩化水素とマンガン酸ナトリウムの反応

反応物

化学式	名称	係数	分類	一般反応式における分類
HCl	塩化水素	4	還元剤	難酸化性
Na₂MnO₄	マンガン酸ナトリウム	1	酸化剤	酸化性

生成物

化学式	名称	係数	分類	一般反応式における分類
Cl₂	塩素	1	酸化生成物	–
MnO₂	酸化マンガン(IV)	1	還元生成物	–
NaCl	塩化ナトリウム	2	–	–
H₂O	水	2	–	–

熱力学的変化

標準状態における変化 (1)

塩化水素とマンガン酸ナトリウムの反応: 4HCl気体 + Na₂MnO₄結晶性固体
⟶
Cl₂気体 + MnO₂結晶性固体 + 2NaCl結晶性固体 + 2H₂O液体

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−388.8	–	–	–
塩化水素 1 mol あたり	−97.20	–	–	–
マンガン酸ナトリウム 1 mol あたり	−388.8	–	–	–
塩素 1 mol あたり	−388.8	–	–	–
酸化マンガン(IV) 1 mol あたり	−388.8	–	–	–
塩化ナトリウム 1 mol あたり	−194.4	–	–	–
水 1 mol あたり	−194.4	–	–	–

標準状態における変化 (2)

塩化水素とマンガン酸ナトリウムの反応: 4HCl気体 + Na₂MnO₄結晶性固体
⟶
Cl₂気体 + MnO₂非晶質固体沈殿物 + 2NaCl結晶性固体 + 2H₂O液体

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−371.2	–	–	–
塩化水素 1 mol あたり	−92.80	–	–	–
マンガン酸ナトリウム 1 mol あたり	−371.2	–	–	–
塩素 1 mol あたり	−371.2	–	–	–
酸化マンガン(IV) 1 mol あたり	−371.2	–	–	–
塩化ナトリウム 1 mol あたり	−185.6	–	–	–
水 1 mol あたり	−185.6	–	–	–

水溶液における変化 (1)

塩化水素とマンガン酸ナトリウムの反応 ◆ Δ_rG −176.2 kJ/mol K 7.39 × 10³⁰ pK −30.87: 4HCl水溶液 (解離状態) + Na₂MnO₄水溶液 (解離状態)
⟶
Cl₂気体 + MnO₂結晶性固体 + 2NaCl水溶液 (解離状態) + 2H₂O液体

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−104	−176.2	245	–
塩化水素 1 mol あたり	−26.0	−44.05	61.3	–
マンガン酸ナトリウム 1 mol あたり	−104	−176.2	245	–
塩素 1 mol あたり	−104	−176.2	245	–
酸化マンガン(IV) 1 mol あたり	−104	−176.2	245	–
塩化ナトリウム 1 mol あたり	−52.0	−88.10	123	–
水 1 mol あたり	−52.0	−88.10	123	–

水溶液における変化 (2)

塩化水素とマンガン酸ナトリウムの反応 ◆ Δ_rG −169.2 kJ/mol K 4.39 × 10²⁹ pK −29.64: 4HCl水溶液 (解離状態) + Na₂MnO₄水溶液 (解離状態)
⟶
Cl₂水溶液 (非解離状態) + MnO₂結晶性固体 + 2NaCl水溶液 (解離状態) + 2H₂O液体

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−127	−169.2	143	–
塩化水素 1 mol あたり	−31.8	−42.30	35.8	–
マンガン酸ナトリウム 1 mol あたり	−127	−169.2	143	–
塩素 1 mol あたり	−127	−169.2	143	–
酸化マンガン(IV) 1 mol あたり	−127	−169.2	143	–
塩化ナトリウム 1 mol あたり	−63.5	−84.60	71.5	–
水 1 mol あたり	−63.5	−84.60	71.5	–

反応物の熱力学データ

化学式	標準生成エンタルピー Δ_fH° kJ · mol⁻¹	標準生成ギブスエネルギー Δ_fG° kJ · mol⁻¹	標準モルエントロピー S° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準モル定圧熱容量 C_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
HCl (g)	-92.307^[1]	-95.299^[1]	186.908^[1]	29.12^[1]
HCl (ai)	-167.159^[1]	-131.228^[1]	56.5^[1]	-136.4^[1]
Na₂MnO₄ (cr)	-1156.0^[1]	–	–	–
Na₂MnO₄ (ai)	-1134^[1]	-1024.6^[1]	176^[1]	–

* (g):気体, (ai):水溶液 (解離状態), (cr):結晶性固体

生成物の熱力学データ

化学式	標準生成エンタルピー Δ_fH° kJ · mol⁻¹	標準生成ギブスエネルギー Δ_fG° kJ · mol⁻¹	標準モルエントロピー S° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準モル定圧熱容量 C_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
Cl₂ (g)	0^[1]	0^[1]	223.066^[1]	33.907^[1]
Cl₂ (ao)	-23.4^[1]	6.94^[1]	121^[1]	–
MnO₂ (cr)	-520.03^[1]	-465.14^[1]	53.05^[1]	54.14^[1]
MnO₂ (am) 沈殿物	-502.5^[1]	–	–	–
NaCl (cr)	-411.153^[1]	-384.138^[1]	72.13^[1]	50.50^[1]
NaCl (g)	-176.65^[1]	-196.66^[1]	229.81^[1]	35.77^[1]
NaCl (ai)	-407.27^[1]	-393.133^[1]	115.5^[1]	-90.0^[1]
H₂O (cr)	–	–	–	–
H₂O (l)	-285.830^[1]	-237.129^[1]	69.91^[1]	75.291^[1]
H₂O (g)	-241.818^[1]	-228.572^[1]	188.825^[1]	33.577^[1]

* (g):気体, (ao):水溶液 (非解離状態), (cr):結晶性固体, (am):非晶質固体, (ai):水溶液 (解離状態), (l):液体

参考文献

参考文献一覧

1
Janiel J. Reed (1989)
The NBS Tables of Chemical Thermodynamic Properties: Selected Values for Inorganic and C1 and C2 Organic Substances in SI Units
https://doi.org/10.18434/M32124
National Institute of Standards and Technology (NIST)
引用リスト