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化学物質
亜硝酸カリウム

亜硝酸カリウム

更新日：2023/3/19

亜硝酸カリウム（Potassium nitrite）は，化学式 KNO₂ で表される無機化合物です。

名称

物質名称一覧

命名法

Nomenclature

名称

Name

代表的名称
Typical name: 亜硝酸カリウム; Potassium nitrite

組成命名法
Compositional nomenclature: 亜硝酸カリウム; Potassium nitrite

付加命名法
Additive nomenclature: ジオキシド硝酸(1−)カリウム; Potassium dioxidonitrate(1−)

化学式と構造

化学式一覧

化学式名称

Formula name

化学式

Formula

代表的化学式
Typical formula: KNO₂

組成式
Compositional formula: KNO₂

構造式
Structural formula

構造式 (孤立電子対なし)
Structural formula with no lone pair

構造式 (共役なし)
Structural formula with no conjugation

構造式 (共役なし, 孤立電子対なし)
Structural formula with no conjugation and lone pair

電子式 (ルイス構造式)
Lewis structure

電子式 (ルイス構造式, 色付き)
Colored Lewis structure

物質情報

物質情報一覧

項目

Item

値

Value

名称
Name: 亜硝酸カリウム; Potassium nitrite

化学式
Formula: KNO₂

外観
Appearance: 淡黄色の固体; Pale yellow solid

臭気
Odor: 無臭; Odorless

モル質量
Molar mass: 85.103 g/mol

密度
Density: 1.915 g/cm³^[1][2]
固体

融点
Melting point: 441 °C^[1]; 438 °C^[2]

沸点
Boiling point: 350 °C^[1]
分解; 537 °C^[2]
分解, 爆発

構成要素

構成イオン

イオン Ion	名称 Name	電荷数 Charge number	個数 Number
K⁺	カリウムイオン	1	1
NO₂⁻	亜硝酸イオン	-1	1

構成原子

原子 Atom	名称 Name	酸化数 Oxidation state	個数 Number
K	カリウム	+1	1
N	窒素	+3	1
O	酸素	−2	2

原子の比率

原子 Atom	原子量 Atomic weight	個数 Number	原子比率 Atomic ratio	重量比率 Weight ratio
K	39.0983	1	25.00%	45.94%
N	14.007	1	25.00%	16.46%
O	15.999	2	50.00%	37.60%

熱力学的性質

相転移特性

項目

Item

値

Value

融解熱
Enthalpy of fusion: 16.7 kJ · mol⁻¹^[2]
at 438°C

蒸発熱
Enthalpy of vaporization: –

蒸発熱 (25°C)
Enthalpy of vaporization at 25°C: –

その他転移エンタルピー
Enthalpy of other transition: –

標準熱力学特性

状態 State	標準生成エンタルピー Δ_fH° kJ · mol⁻¹	標準生成ギブスエネルギー Δ_fG° kJ · mol⁻¹	標準モルエントロピー S° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準モル定圧熱容量 C_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
結晶性固体 rhombic	−369.82^[3]	−306.55^[3]	152.09^[3]	107.40^[3]
水溶液 (解離状態)	−356.9^[3]	−315.4^[3]	225.5^[3]	–

溶解度

溶解性

反応 Reactive

混和 Miscible

易溶 Very soluble: H₂O水

可溶 Soluble

微溶 Slightly soluble: C₂H₅OH^[1]エタノール

難溶 Very slightly soluble

不溶 Insoluble

水への溶解度 (g/100 g)^[1]

0°C	10°C	20°C	30°C	40°C	60°C	80°C	90°C	100°C
279	292	306	320	329	348	376	390	410

水への溶解度 (g/100 g solution)^[4]

-6.5°C	0°C	17.5°C	25°C	40°C	55°C	75°C	100°C	111°C	119°C	125°C
73.2	73.6	74.5	75.75	77	77.5	78.5	80.5	80.7	81.15	81.8

溶解度曲線 (g/100 g)

溶解度曲線 (g/100 g solution)

危険有害性

GHSラベル^[5]

項目

Item

値

Value

危険有害性絵表示
Hazard pictograms: GHS03: 円上の炎; GHS08: 健康有害性; GHS09: 環境

注意喚起語
Signal word: 危険

危険有害性情報
Hazard statements: H272: 火災激化のおそれ; 酸化剤; H361: 生殖能または胎児への悪影響のおそれの疑い; H362: 授乳中の子に害を及ぼすおそれ; H370: 臓器への傷害; H370: 血液系への傷害; H401: 水生生物に有毒; H411: 長期持続的影響を伴い, 水生生物に有毒

物理的危険性^[5]

分類	区分	表示	危険有害性情報
爆発物	区分外
引火性気体	分類対象外
エアゾール	分類対象外
酸化性気体	分類対象外
高圧ガス	分類対象外
引火性液体	分類対象外
引火性固体	区分外
自己反応性化学品	分類対象外
自然発火性液体	分類対象外
自然発火性固体	区分外
自己発熱性化学品	区分外
水反応引火性化学品	区分外
酸化性液体	分類対象外
酸化性固体	区分2	危険	H272: 火災激化のおそれ; 酸化剤
有機過酸化物	分類対象外
金属腐食性物質	分類不可 (データ不足)
鈍性化爆発物	データなし

健康有害性^[5]

分類	区分	表示	危険有害性情報
急性経口毒性	分類不可 (データ不足)
急性経皮毒性	分類不可 (データ不足)
急性吸入毒性 (気体)	分類対象外
急性吸入毒性 (蒸気)	分類不可 (データ不足)
急性吸入毒性 (粉塵・ミスト)	区分外
皮膚腐食性/刺激性	分類不可 (データ不足)
重篤な眼損傷性/眼刺激性	分類不可 (データ不足)
呼吸器感作性	分類不可 (データ不足)
皮膚感作性	分類不可 (データ不足)
生殖細胞変異原性	分類不可 (データ不足)
発がん性	分類不可 (データ不足)
生殖毒性	区分2	警告	H361: 生殖能または胎児への悪影響のおそれの疑い
生殖毒性	授乳に対するまたは授乳を介した影響		H362: 授乳中の子に害を及ぼすおそれ
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)	区分1 (血液系)	危険	H370: 臓器への傷害 H370: 血液系への傷害
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)	分類不可 (データ不足)
誤えん有害性	分類不可 (データ不足)

環境有害性^[5]

分類	区分	危険有害性情報
水生環境有害性 (短期)	区分2	H401: 水生生物に有毒
水生環境有害性 (長期)	区分2	H411: 長期持続的影響を伴い, 水生生物に有毒
オゾン層への有害性	分類不可 (データ不足)

製法

分解反応

熱分解性物質が分解すると，亜硝酸カリウムが生成する場合があります。

硝酸カリウムの分解 ◆ Δ_rG 176.62 kJ/mol K 0.11 × 10⁻³⁰ pK 30.94: 2KNO₃硝酸カリウム
🔥
⟶
2KNO₂亜硝酸カリウム + O₂↑酸素

硝酸カリウムの分解 ◆ Δ_rG 428.1 kJ/mol K 0.10 × 10⁻⁷⁴ pK 75.00: 3KNO₃硝酸カリウム
🔥
⟶
3KNO₂亜硝酸カリウム + O₃↑オゾン

均化反応

シアン化カリウムと硝酸が反応すると，亜硝酸カリウムが生成する場合があります。

シアン化カリウムと硝酸の反応 ◆ Δ_rG −595.09 kJ/mol K 1.80 × 10¹⁰⁴ pK −104.26: 5KCNシアン化カリウム + 4HNO₃硝酸
⟶
5KNO₂亜硝酸カリウム + 4HCNシアン化水素 + CO₂↑二酸化炭素

シアン化カリウムと硝酸の反応 ◆ Δ_rG −338.89 kJ/mol K 2.35 × 10⁵⁹ pK −59.37: 4KCNシアン化カリウム + 3HNO₃硝酸
⟶
4KNO₂亜硝酸カリウム + 3HCNシアン化水素 + CO↑一酸化炭素

化学反応

電離反応

亜硝酸カリウムが電離すると，カリウムイオンと亜硝酸イオンが生成します。

亜硝酸カリウムの電離 ◆ Δ_rG −8.9 kJ/mol K 3.62 × 10¹ pK −1.56: KNO₂亜硝酸カリウム
⟶
K⁺カリウムイオン + NO₂⁻亜硝酸イオン

強酸との反応

亜硝酸カリウムと強酸が反応すると，強酸の塩と亜硝酸が生成します。

亜硝酸カリウムと塩化水素の反応 ◆ Δ_rG −18.5 kJ/mol K 1.74 × 10³ pK −3.24: KNO₂亜硝酸カリウム + HCl塩化水素
⟶
KCl塩化カリウム + HNO₂亜硝酸

亜硝酸カリウムと臭化水素の反応 ◆ Δ_rG −18.5 kJ/mol K 1.74 × 10³ pK −3.24: KNO₂亜硝酸カリウム + HBr臭化水素
⟶
KBr臭化カリウム + HNO₂亜硝酸

亜硝酸カリウムとヨウ化水素の反応 ◆ Δ_rG −18.5 kJ/mol K 1.74 × 10³ pK −3.24: KNO₂亜硝酸カリウム + HIヨウ化水素
⟶
KIヨウ化カリウム + HNO₂亜硝酸

亜硝酸カリウムと硫酸の反応 ◆ Δ_rG −36.9 kJ/mol K 2.91 × 10⁶ pK −6.46: 2KNO₂亜硝酸カリウム + H₂SO₄硫酸
⟶
K₂SO₄硫酸カリウム + 2HNO₂亜硝酸

亜硝酸カリウムと硝酸の反応 ◆ Δ_rG −18.5 kJ/mol K 1.74 × 10³ pK −3.24: KNO₂亜硝酸カリウム + HNO₃硝酸
⟶
KNO₃硝酸カリウム + HNO₂亜硝酸

不揮発性の酸との反応

亜硝酸カリウムと不揮発性の酸が反応すると，不揮発性の酸の塩と亜硝酸が生成します。

亜硝酸カリウムとリン酸の反応 ◆ Δ_rG 68.2 kJ/mol K 0.11 × 10⁻¹¹ pK 11.95: 3KNO₂亜硝酸カリウム + H₃PO₄リン酸
⟶
K₃PO₄リン酸カリウム + 3HNO₂亜硝酸

亜硝酸カリウムと硫酸の反応 ◆ Δ_rG −29.9 kJ/mol K 1.73 × 10⁵ pK −5.24: KNO₂亜硝酸カリウム + H₂SO₄硫酸
⟶
KHSO₄硫酸水素カリウム + HNO₂亜硝酸

亜硝酸カリウムと硫酸の反応 ◆ Δ_rG −167.2 kJ/mol K 1.96 × 10²⁹ pK −29.29: 2KNO₂亜硝酸カリウム + 2H₂SO₄硫酸
⟶
2KHSO₄硫酸水素カリウム + N₂O₃↑三酸化二窒素 + H₂O水

亜硝酸カリウムとリン酸の反応 ◆ Δ_rG 147.1 kJ/mol K 0.17 × 10⁻²⁵ pK 25.77: 6KNO₂亜硝酸カリウム + 2H₃PO₄リン酸
🔥
⟶
2K₃PO₄リン酸カリウム + 3N₂O₃↑三酸化二窒素 + 3H₂O水

亜硝酸カリウムと過塩素酸の反応 ◆ Δ_rG −18.5 kJ/mol K 1.74 × 10³ pK −3.24: KNO₂亜硝酸カリウム + HClO₄過塩素酸
⟶
KClO₄過塩素酸カリウム + HNO₂亜硝酸

還元性化学種との反応

還元性化学種と亜硝酸カリウムが反応すると，種々の生成物が生成します。

水素と亜硝酸カリウムの反応 ◆ Δ_rG 28.04 kJ/mol K 0.12 × 10⁻⁴ pK 4.91: H₂水素 + 2KNO₂亜硝酸カリウム
⟶
2NO一酸化窒素 + 2KOH水酸化カリウム

水素と亜硝酸カリウムの反応 ◆ Δ_rG −453.3 kJ/mol K 2.60 × 10⁷⁹ pK −79.41: 6H₂水素 + 2KNO₂亜硝酸カリウム
⟶
2NH₃アンモニア + K₂O酸化カリウム + 3H₂O水

硫化水素と亜硝酸カリウムの反応 ◆ Δ_rG 15.1 kJ/mol K 0.23 × 10⁻² pK 2.65: 2H₂S硫化水素 + 2KNO₂亜硝酸カリウム
⟶
S硫黄 + 2NO一酸化窒素 + K₂S硫化カリウム + 2H₂O水

硫化水素と亜硝酸カリウムの反応 ◆ Δ_rG −411.6 kJ/mol K 1.29 × 10⁷² pK −72.11: 4H₂S硫化水素 + 2KNO₂亜硝酸カリウム
⟶
2SO₂二酸化硫黄 + (NH₄)₂S硫化アンモニウム + K₂S硫化カリウム

酸化性化学種との反応

亜硝酸カリウムと酸化性化学種が反応すると，種々の生成物が生成します。

亜硝酸カリウムと酸素の反応 ◆ Δ_rG −176.62 kJ/mol K 8.76 × 10³⁰ pK −30.94: 2KNO₂亜硝酸カリウム + O₂酸素
⟶
2KNO₃硝酸カリウム

亜硝酸カリウムと塩素の反応 ◆ Δ_rG −102.56 kJ/mol K 9.28 × 10¹⁷ pK −17.97: 2KNO₂亜硝酸カリウム + Cl₂塩素
⟶
2KCl塩化カリウム + 2NO₂二酸化窒素

亜硝酸カリウムと塩素の反応 ◆ Δ_rG −107.64 kJ/mol K 7.21 × 10¹⁸ pK −18.86: 2KNO₂亜硝酸カリウム + Cl₂塩素
⟶
2KCl塩化カリウム + N₂O₄四酸化二窒素

亜硝酸カリウムと硝酸の反応 ◆ Δ_rG −61.40 kJ/mol K 5.71 × 10¹⁰ pK −10.76: KNO₂亜硝酸カリウム + 2HNO₃硝酸
⟶
KNO₃硝酸カリウム + 2NO₂↑二酸化窒素 + H₂O水

亜硝酸カリウムと硝酸の反応 ◆ Δ_rG −167.54 kJ/mol K 2.25 × 10²⁹ pK −29.35: 3KNO₂亜硝酸カリウム + 2HNO₃硝酸
⟶
3KNO₃硝酸カリウム + 2NO↑一酸化窒素 + H₂O水

酸化性化学種との反応 (酸性条件下)

亜硝酸カリウムと酸化性化学種，水素イオンが反応すると，種々の生成物が生成します。

亜硝酸カリウムと過マンガン酸カリウムの反応 (酸性条件下) ◆ Δ_rG −312.2 kJ/mol K 4.96 × 10⁵⁴ pK −54.70: 5KNO₂亜硝酸カリウム + KMnO₄過マンガン酸カリウム + 8H⁺水素イオン
⟶
6K⁺カリウムイオン + 5NO₂↑二酸化窒素 + Mn²⁺マンガン(II)イオン + 4H₂O水

亜硝酸カリウムと硝酸の反応 (酸性条件下) ◆ Δ_rG −60.7 kJ/mol K 4.31 × 10¹⁰ pK −10.63: 11KNO₂亜硝酸カリウム + 5HNO₃硝酸 + 11H⁺水素イオン
🔥
⟶
11K⁺カリウムイオン + 13NO₂↑二酸化窒素 + 3NO↑一酸化窒素 + 8H₂O水

被酸化性化学種との反応 (酸性条件下)

被酸化性化学種と亜硝酸カリウム，水素イオンが反応すると，種々の生成物が生成します。

銅と亜硝酸カリウムの反応 (酸性条件下) ◆ Δ_rG −171.4 kJ/mol K 1.07 × 10³⁰ pK −30.03: Cu銅 + 2KNO₂亜硝酸カリウム + 4H⁺水素イオン
⟶
Cu²⁺銅(II)イオン + 2NO↑一酸化窒素 + 2K⁺カリウムイオン + 2H₂O水

銅と亜硝酸カリウムの反応 (酸性条件下) ◆ Δ_rG −325.0 kJ/mol K 8.66 × 10⁵⁶ pK −56.94: 3Cu銅 + KNO₂亜硝酸カリウム + 8H⁺水素イオン
⟶
3Cu²⁺銅(II)イオン + NH₄⁺アンモニウムイオン + K⁺カリウムイオン + 2H₂O水

ヨウ化カリウムと亜硝酸カリウムの反応 (酸性条件下) ◆ Δ_rG −117.3 kJ/mol K 3.55 × 10²⁰ pK −20.55: 2KIヨウ化カリウム + 2KNO₂亜硝酸カリウム + 4H⁺水素イオン
⟶
4K⁺カリウムイオン + I₂ヨウ素 + 2NO↑一酸化窒素 + 2H₂O水

ヨウ化カリウムと亜硝酸カリウムの反応 (酸性条件下) ◆ Δ_rG −162.8 kJ/mol K 3.32 × 10²⁸ pK −28.52: 6KIヨウ化カリウム + KNO₂亜硝酸カリウム + 8H⁺水素イオン
⟶
7K⁺カリウムイオン + 3I₂ヨウ素 + NH₄⁺アンモニウムイオン + 2H₂O水

酸化性化学種との反応 (中性条件下)

亜硝酸カリウムと酸化性化学種，水が反応すると，種々の生成物が生成します。

亜硝酸カリウムと過マンガン酸カリウムの反応 (中性条件下) ◆ Δ_rG −241.0 kJ/mol K 1.66 × 10⁴² pK −42.22: 3KNO₂亜硝酸カリウム + 2KMnO₄過マンガン酸カリウム + H₂O水
⟶
3KNO₃硝酸カリウム + 2KOH水酸化カリウム + 2MnO₂酸化マンガン(IV)

亜硝酸カリウムと過マンガン酸カリウムの反応 (中性条件下) ◆ Δ_rG −280.2 kJ/mol K 1.23 × 10⁴⁹ pK −49.09: 4KNO₂亜硝酸カリウム + 2KMnO₄過マンガン酸カリウム + H₂O水
⟶
4KNO₃硝酸カリウム + 2KOH水酸化カリウム + Mn₂O₃酸化マンガン(III)

亜硝酸カリウムと塩素の反応 (中性条件下) ◆ Δ_rG −41.47 kJ/mol K 1.84 × 10⁷ pK −7.27: KNO₂亜硝酸カリウム + Cl₂塩素 + H₂O水
⟶
KCl塩化カリウム + HNO₃硝酸 + HCl塩化水素

亜硝酸カリウムと塩素の反応 (中性条件下) ◆ Δ_rG −41.78 kJ/mol K 2.09 × 10⁷ pK −7.32: KNO₂亜硝酸カリウム + Cl₂塩素 + H₂O水
⟶
KNO₃硝酸カリウム + 2HCl塩化水素

被酸化性化学種との反応 (中性条件下)

被酸化性化学種と亜硝酸カリウム，水が反応すると，種々の生成物が生成します。

銅と亜硝酸カリウムの反応 (中性条件下) ◆ Δ_rG −52.7 kJ/mol K 1.71 × 10⁹ pK −9.23: 6Cu銅 + KNO₂亜硝酸カリウム + 2H₂O水
⟶
3Cu₂O酸化銅(I) + NH₃↑アンモニア + KOH水酸化カリウム

銅と亜硝酸カリウムの反応 (中性条件下) ◆ Δ_rG −3.8 kJ/mol K 4.63 × 10⁰ pK −0.67: 3Cu銅 + KNO₂亜硝酸カリウム + 2H₂O水
⟶
3CuO酸化銅(II) + NH₃↑アンモニア + KOH水酸化カリウム

難酸化性化学種との反応

難酸化性化学種と亜硝酸カリウムが反応すると，種々の生成物が生成します。

塩化水素と亜硝酸カリウムの反応 ◆ Δ_rG −125.14 kJ/mol K 8.39 × 10²¹ pK −21.92: 4HCl塩化水素 + 2KNO₂亜硝酸カリウム
⟶
Cl₂塩素 + 2NO一酸化窒素 + 2KCl塩化カリウム + 2H₂O水

塩化水素と亜硝酸カリウムの反応 ◆ Δ_rG −105.9 kJ/mol K 3.57 × 10¹⁸ pK −18.55: 6HCl塩化水素 + 4KNO₂亜硝酸カリウム
⟶
Cl₂O一酸化二塩素 + 4NO一酸化窒素 + 4KCl塩化カリウム + 3H₂O水

難酸化性化学種との反応 (酸性条件下)

難酸化性化学種と亜硝酸カリウム，水素イオンが反応すると，種々の生成物が生成します。

塩化水素と亜硝酸カリウムの反応 (酸性条件下) ◆ Δ_rG −96.9 kJ/mol K 9.47 × 10¹⁶ pK −16.98: 6HCl塩化水素 + 2KNO₂亜硝酸カリウム + 2H⁺水素イオン
⟶
3Cl₂塩素 + N₂窒素 + 2K⁺カリウムイオン + 4H₂O水

塩化ナトリウムと亜硝酸カリウムの反応 (酸性条件下) ◆ Δ_rG −96.9 kJ/mol K 9.47 × 10¹⁶ pK −16.98: 6NaCl塩化ナトリウム + 2KNO₂亜硝酸カリウム + 8H⁺水素イオン
🔥
⟶
6Na⁺ナトリウムイオン + 3Cl₂↑塩素 + N₂↑窒素 + 2K⁺カリウムイオン + 4H₂O水

塩化ナトリウムと亜硝酸カリウムの反応 (酸性条件下) ◆ Δ_rG −323.3 kJ/mol K 4.36 × 10⁵⁶ pK −56.64: 3NaCl塩化ナトリウム + 8KNO₂亜硝酸カリウム + 8H⁺水素イオン
⟶
3NaClO₄過塩素酸ナトリウム + 4N₂↑窒素 + 8K⁺カリウムイオン + 4H₂O水

塩化水素と亜硝酸カリウムの反応 (酸性条件下) ◆ Δ_rG −323.4 kJ/mol K 4.54 × 10⁵⁶ pK −56.66: 3HCl塩化水素 + 8KNO₂亜硝酸カリウム + 8H⁺水素イオン
⟶
3HClO₄過塩素酸 + 4N₂窒素 + 8K⁺カリウムイオン + 4H₂O水

難酸化性化学種との反応 (中性条件下)

難酸化性化学種と亜硝酸カリウム，水が反応すると，種々の生成物が生成します。

塩化ナトリウムと亜硝酸カリウムの反応 (中性条件下) ◆ Δ_rG 986.64 kJ/mol K 0.14 × 10⁻¹⁷² pK 172.85: 9NaCl塩化ナトリウム + 8KNO₂亜硝酸カリウム + 4H₂O水
🔥
⟶
NaClO₄過塩素酸ナトリウム + 8NaOH水酸化ナトリウム + 8NO↑一酸化窒素 + 8KCl塩化カリウム

塩化ナトリウムと亜硝酸カリウムの反応 (中性条件下) ◆ Δ_rG 764.89 kJ/mol K 0.99 × 10⁻¹³⁴ pK 134.00: 7NaCl塩化ナトリウム + 6KNO₂亜硝酸カリウム + 3H₂O水
🔥
⟶
NaClO₃塩素酸ナトリウム + 6NaOH水酸化ナトリウム + 6NO↑一酸化窒素 + 6KCl塩化カリウム

金と亜硝酸カリウムの反応 (中性条件下) ◆ Δ_rG 436.53 kJ/mol K 0.33 × 10⁻⁷⁶ pK 76.48: Au金 + 3KNO₂亜硝酸カリウム + 3H₂O水
🔥
⟶
Au(OH)₃水酸化金(III) + 3NO↑一酸化窒素 + 3KOH水酸化カリウム

沈殿反応

水溶液中に特定の化学種が存在すると，亜硝酸カリウムと反応して沈殿が生成します。

亜硝酸カリウムとクロム酸アンモニウムの反応 ◆ Δ_rG −0.3 kJ/mol K 1.13 × 10⁰ pK −0.05: 2KNO₂亜硝酸カリウム + (NH₄)₂CrO₄クロム酸アンモニウム
💧
⟶
K₂CrO₄↓クロム酸カリウム + 2NH₄NO₂亜硝酸アンモニウム

亜硝酸カリウムとクロム酸ナトリウムの反応 ◆ Δ_rG −16.8 kJ/mol K 8.77 × 10² pK −2.94: 2KNO₂亜硝酸カリウム + Na₂CrO₄クロム酸ナトリウム
💧
⟶
K₂CrO₄↓クロム酸カリウム + 2NaNO₂亜硝酸ナトリウム

亜硝酸カリウムとクロム酸カルシウムの反応: 2KNO₂亜硝酸カリウム + CaCrO₄クロム酸カルシウム
💧
⟶
K₂CrO₄↓クロム酸カリウム + Ca(NO₂)₂亜硝酸カルシウム

亜硝酸カリウムと二クロム酸アンモニウムの反応: 2KNO₂亜硝酸カリウム + (NH₄)₂Cr₂O₇二クロム酸アンモニウム
💧
⟶
K₂CrO₄↓クロム酸カリウム + 2NH₄NO₂亜硝酸アンモニウム + CrO₃酸化クロム(VI)

亜硝酸カリウムと二クロム酸ナトリウムの反応: 2KNO₂亜硝酸カリウム + Na₂Cr₂O₇二クロム酸ナトリウム
💧
⟶
K₂CrO₄↓クロム酸カリウム + 2NaNO₂亜硝酸ナトリウム + CrO₃酸化クロム(VI)

分解反応

亜硝酸カリウムが分解すると，酸化カリウムと三酸化二窒素が生成します。

亜硝酸カリウムの分解 ◆ Δ_rG 430.5 kJ/mol K 0.38 × 10⁻⁷⁵ pK 75.42: 2KNO₂亜硝酸カリウム
🔥
⟶
K₂O酸化カリウム + N₂O₃↑三酸化二窒素

亜硝酸カリウムの分解 ◆ Δ_rG 375.8 kJ/mol K 0.15 × 10⁻⁶⁵ pK 65.84: 3KNO₂亜硝酸カリウム
🔥
⟶
KNO₃硝酸カリウム + K₂O酸化カリウム + 2NO↑一酸化窒素

亜硝酸カリウムの分解 ◆ Δ_rG 928.2 kJ/mol K 0.24 × 10⁻¹⁶² pK 162.61: 4KNO₂亜硝酸カリウム
🔥
⟶
2K₂O酸化カリウム + 4NO↑一酸化窒素 + O₂↑酸素

水溶液の電気分解

亜硝酸カリウム水溶液を電気分解すると，種々の生成物が生成します。

亜硝酸カリウム水溶液の電気分解 (水=酸化剤) ◆ Δ_rG 148.82 kJ/mol K 0.85 × 10⁻²⁶ pK 26.07: KNO₂亜硝酸カリウム + H₂O水
💧⚡
⟶
KNO₃硝酸カリウム + H₂↑水素

水の電気分解 ◆ Δ_rG 474.258 kJ/mol K 0.82 × 10⁻⁸³ pK 83.09: 2H₂O水
⚡
⟶
2H₂↑水素 + O₂↑酸素

亜硝酸カリウム水溶液の電気分解 (水=非酸化還元剤): 3KNO₂亜硝酸カリウム + 2H₂O水
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2KNO₃硝酸カリウム + KOH水酸化カリウム + NH₂OHヒドロキシルアミン

亜硝酸カリウム水溶液の電気分解 (水=非酸化還元剤) ◆ Δ_rG 120.35 kJ/mol K 0.82 × 10⁻²¹ pK 21.08: 4KNO₂亜硝酸カリウム + 2H₂O水
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3KNO₃硝酸カリウム + KOH水酸化カリウム + NH₃↑アンモニア

亜硝酸カリウム水溶液の電気分解 (水=還元剤) ◆ Δ_rG 770.56 kJ/mol K 0.10 × 10⁻¹³⁴ pK 135.00: 2KNO₂亜硝酸カリウム + 4H₂O水
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2KOH水酸化カリウム + 2NH₃↑アンモニア + 3O₂↑酸素

溶融塩電解

亜硝酸カリウムの溶融塩を電気分解すると，種々の生成物が生成します。

亜硝酸カリウムの溶融塩電解 ◆ Δ_rG 357.86 kJ/mol K 0.20 × 10⁻⁶² pK 62.69: KNO₂亜硝酸カリウム
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Kカリウム + NO₂↑二酸化窒素

亜硝酸カリウムの溶融塩電解 ◆ Δ_rG 613.10 kJ/mol K 0.39 × 10⁻¹⁰⁷ pK 107.41: 2KNO₂亜硝酸カリウム
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2Kカリウム + N₂↑窒素 + 2O₂↑酸素

参考文献

参考文献一覧

1
James G. Speight (2017)
Lange's Handbook of Chemistry, 17th edition
https://www.accessengineeringlibrary.com/content/book/9781259586095
McGraw Hill Education
- Amazon
引用リスト
- ^ 密度, 1.915 g/cm³ - p.58
- ^ 融点, 441 °C - p.58
- ^ 沸点, 350 °C - p.58
- ^ 溶解性, エタノールに微溶 - p.58
- ^ 水への溶解度 (g/100 g), 表を参照 - p.541
2
John R. Rumble Jr, David R. Lide, Thomas J. Bruno (2019)
CRC Handbook of Chemistry and Physics 100th Edition
https://www.routledge.com/CRC-Handbook-of-Chemistry-and-Physics/book-series/CRCHANCHEPHY
CRC Press
- Amazon
引用リスト
- ^ 密度, 1.915 g/cm³ - p.4-48
- ^ 融点, 438 °C - p.4-48
- ^ 沸点, 537 °C - p.4-48
- ^ 融解熱, 16.7 kJ · mol⁻¹ - p.6-159
3
Janiel J. Reed (1989)
The NBS Tables of Chemical Thermodynamic Properties: Selected Values for Inorganic and C1 and C2 Organic Substances in SI Units
https://doi.org/10.18434/M32124
National Institute of Standards and Technology (NIST)
引用リスト
4
Atherton Seidell (1919)
Solubilities of Inorganic and Organic Compounds: A Compilation of Quantitative Solubility Data From the Periodical Literature
D. Van Nostrand Company
- Amazon
引用リスト
- ^ 水への溶解度 (g/100 g solution), 表を参照 - p.549
5
化学物質管理センター
GHS分類結果
https://www.nite.go.jp/chem/ghs/all_fy.html
独立行政法人製品評価技術基盤機構
引用リスト

Δ_rG	−61.4 kJ/mol
K	5.71 × 10¹⁰
pK	−10.76

Δ_rG	−231.53 kJ/mol
K	3.65 × 10⁴⁰
pK	−40.56

Δ_rG	−444.6 kJ/mol
K	7.77 × 10⁷⁷
pK	−77.89

Δ_rG	−430.5 kJ/mol
K	2.63 × 10⁷⁵
pK	−75.42

亜硝酸カリウム

名称

物質名称一覧

化学式と構造

化学式一覧

物質情報

物質情報一覧

構成要素

構成イオン

構成原子

原子の比率

熱力学的性質

相転移特性

標準熱力学特性

溶解度

溶解性

水への溶解度 (g/100 g)[1]

水への溶解度 (g/100 g solution)[4]

溶解度曲線 (g/100 g)

溶解度曲線 (g/100 g solution)

危険有害性

GHSラベル[5]

物理的危険性[5]

健康有害性[5]

環境有害性[5]

製法

酸と塩基の反応

塩基と酸性酸化物の反応

塩基性酸化物と酸の反応

塩基性酸化物と酸性酸化物の反応

弱塩基の塩と強塩基の反応

活性金属と酸の反応

分解反応

均化反応

化学反応

電離反応

強酸との反応

不揮発性の酸との反応

還元性化学種との反応

酸化性化学種との反応

酸化性化学種との反応 (酸性条件下)

被酸化性化学種との反応 (酸性条件下)

酸化性化学種との反応 (中性条件下)

被酸化性化学種との反応 (中性条件下)

難酸化性化学種との反応

難酸化性化学種との反応 (酸性条件下)

難酸化性化学種との反応 (中性条件下)

沈殿反応

分解反応

水溶液の電気分解

溶融塩電解

参考文献

参考文献一覧

関連物質

アルカリ金属の亜硝酸塩

カリウムの窒素オキソ酸塩

酸と酸性酸化物

塩基と塩基性酸化物

関連カテゴリ

構成元素による分類

物質の分類

物質の状態

物質の性質

物質の溶解性

物質の色

物質のにおい

水への溶解度 (g/100 g)^[1]

水への溶解度 (g/100 g solution)^[4]

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物理的危険性^[5]

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