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化学物質
ヨウ素酸ナトリウム

ヨウ素酸ナトリウム

更新日：2023/3/19

ヨウ素酸ナトリウム（Sodium iodate）は，化学式 NaIO₃ で表される無機化合物です。

名称

物質名称一覧

命名法

Nomenclature

名称

Name

代表的名称
Typical name: ヨウ素酸ナトリウム; Sodium iodate

組成命名法
Compositional nomenclature: ヨウ素酸ナトリウム; Sodium iodate

付加命名法
Additive nomenclature: トリオキシドヨウ素酸(1−)ナトリウム; Sodium trioxidoiodate(1−)

化学式と構造

化学式一覧

化学式名称

Formula name

化学式

Formula

代表的化学式
Typical formula: NaIO₃

組成式
Compositional formula: NaIO₃

構造式
Structural formula

構造式 (孤立電子対なし)
Structural formula with no lone pair

その他の構造式
Other structural formulas

電子式 (ルイス構造式)
Lewis structure

電子式 (ルイス構造式, 色付き)
Colored Lewis structure

物質情報

物質情報一覧

項目

Item

値

Value

名称
Name: ヨウ素酸ナトリウム; Sodium iodate

化学式
Formula: NaIO₃

外観
Appearance: 無色の固体; Colorless solid

臭気
Odor: 無臭; Odorless

モル質量
Molar mass: 197.89 g/mol

密度
Density: 4.28 g/cm³^[1]
固体

融点
Melting point: 分解^[1]; → NaI, O₂

沸点
Boiling point: –

構成要素

構成イオン

イオン Ion	名称 Name	電荷数 Charge number	個数 Number
Na⁺	ナトリウムイオン	1	1
IO₃⁻	ヨウ素酸イオン	-1	1

構成原子

原子 Atom	名称 Name	酸化数 Oxidation state	個数 Number
Na	ナトリウム	+1	1
I	ヨウ素	+5	1
O	酸素	−2	3

原子の比率

原子 Atom	原子量 Atomic weight	個数 Number	原子比率 Atomic ratio	重量比率 Weight ratio
Na	22.990	1	20.00%	11.62%
I	126.90	1	20.00%	64.13%
O	15.999	3	60.00%	24.25%

熱力学的性質

相転移特性

項目

Item

値

Value

融解熱
Enthalpy of fusion: 35.1 kJ · mol⁻¹^[2]
at 422°C

蒸発熱
Enthalpy of vaporization: –

蒸発熱 (25°C)
Enthalpy of vaporization at 25°C: –

その他転移エンタルピー
Enthalpy of other transition: 35.1 kJ · mol⁻¹^[1]
at 422°C

標準熱力学特性

状態 State	標準生成エンタルピー Δ_fH° kJ · mol⁻¹	標準生成ギブスエネルギー Δ_fG° kJ · mol⁻¹	標準モルエントロピー S° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準モル定圧熱容量 C_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
結晶性固体	−481.788^[3]	–	–	92.0^[3]
水溶液 (解離状態)	−461.5^[3]	−389.9^[3]	177.4^[3]	–
結晶性固体 1水和物	−779.48^[3]	−634.03^[3]	162.3^[3]	–
結晶性固体 5水和物	−1952.25^[3]	–	–	–

溶解度

溶解性

反応 Reactive

混和 Miscible

易溶 Very soluble

可溶 Soluble: H₂O水

微溶 Slightly soluble

難溶 Very slightly soluble

不溶 Insoluble

水への溶解度 (g/100 g)^[1]

0°C	10°C	20°C	30°C	40°C	60°C	80°C	90°C	100°C
2.48	4.59	8.08	10.7	13.3	19.8	26.6	29.5	33

水への溶解度 (g/100 g)^[4]

0°C	20°C	40°C	60°C	80°C	100°C
2.5	9	15	21	27	34

溶解度曲線 (g/100 g)

危険有害性

GHSラベル^[5]

項目

Item

値

Value

危険有害性絵表示
Hazard pictograms: GHS03: 円上の炎; GHS07: 感嘆符

注意喚起語
Signal word: 危険

危険有害性情報
Hazard statements: H272: 火災激化のおそれ; 酸化剤; H302: 飲み込むと有害; H402: 水生生物に有害; H412: 長期持続的影響を伴い, 水生生物に有害

物理的危険性^[5]

分類	区分	表示	危険有害性情報
爆発物	区分外
引火性気体	分類対象外
エアゾール	分類対象外
酸化性気体	分類対象外
高圧ガス	分類対象外
引火性液体	分類対象外
引火性固体	区分外
自己反応性化学品	分類対象外
自然発火性液体	分類対象外
自然発火性固体	区分外
自己発熱性化学品	分類不可 (データ不足)
水反応引火性化学品	区分外
酸化性液体	分類対象外
酸化性固体	区分2	危険	H272: 火災激化のおそれ; 酸化剤
有機過酸化物	分類対象外
金属腐食性物質	分類不可 (データ不足)
鈍性化爆発物	データなし

健康有害性^[5]

分類	区分	表示	危険有害性情報
急性経口毒性	区分4	警告	H302: 飲み込むと有害
急性経皮毒性	分類不可 (データ不足)
急性吸入毒性 (気体)	分類対象外
急性吸入毒性 (蒸気)	分類不可 (データ不足)
急性吸入毒性 (粉塵・ミスト)	分類不可 (データ不足)
皮膚腐食性/刺激性	分類不可 (データ不足)
重篤な眼損傷性/眼刺激性	分類不可 (データ不足)
呼吸器感作性	分類不可 (データ不足)
皮膚感作性	分類不可 (データ不足)
生殖細胞変異原性	区分外
発がん性	分類不可 (データ不足)
生殖毒性	分類不可 (データ不足)
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)	分類不可 (データ不足)
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)	分類不可 (データ不足)
誤えん有害性	分類不可 (データ不足)

環境有害性^[5]

分類	区分	危険有害性情報
水生環境有害性 (短期)	区分3	H402: 水生生物に有害
水生環境有害性 (長期)	区分3	H412: 長期持続的影響を伴い, 水生生物に有害
オゾン層への有害性	分類不可 (データ不足)

製法

酸と塩基の反応

ヨウ素酸と水酸化ナトリウムが反応すると，ヨウ素酸ナトリウムと水が生成します。

ヨウ素酸と水酸化ナトリウムの反応 ◆ Δ_rG −75.3 kJ/mol K 1.56 × 10¹³ pK −13.19: HIO₃ヨウ素酸 + NaOH水酸化ナトリウム
⟶
NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム + H₂O水

塩基性酸化物と酸の反応

酸化ナトリウムとヨウ素酸が反応すると，ヨウ素酸ナトリウムと水が生成します。

酸化ナトリウムとヨウ素酸の反応 ◆ Δ_rG −376.3 kJ/mol K 8.41 × 10⁶⁵ pK −65.92: Na₂O酸化ナトリウム + 2HIO₃ヨウ素酸
⟶
2NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム + H₂O水

弱酸の塩と強酸の反応

弱酸の塩と強酸が反応すると，ヨウ素酸ナトリウムが生成する場合があります。

リン酸二水素ナトリウムとヨウ素酸の反応 ◆ Δ_rG −7.7 kJ/mol K 2.23 × 10¹ pK −1.35: NaH₂PO₄リン酸二水素ナトリウム + HIO₃ヨウ素酸
⟶
NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム + H₃PO₄リン酸

リン酸水素ナトリウムとヨウ素酸の反応 ◆ Δ_rG −44.2 kJ/mol K 5.54 × 10⁷ pK −7.74: Na₂HPO₄リン酸水素ナトリウム + 2HIO₃ヨウ素酸
⟶
2NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム + H₃PO₄リン酸

リン酸ナトリウムとヨウ素酸の反応 ◆ Δ_rG −109.9 kJ/mol K 1.79 × 10¹⁹ pK −19.25: Na₃PO₄リン酸ナトリウム + 3HIO₃ヨウ素酸
⟶
3NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム + H₃PO₄リン酸

クロム酸ナトリウムとヨウ素酸の反応: Na₂CrO₄クロム酸ナトリウム + 2HIO₃ヨウ素酸
⟶
2NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム + H₂CrO₄クロム酸

二クロム酸ナトリウムとヨウ素酸の反応: Na₂Cr₂O₇二クロム酸ナトリウム + 2HIO₃ヨウ素酸
⟶
2NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム + H₂Cr₂O₇二クロム酸

活性金属と酸の反応

ナトリウムとヨウ素酸が反応すると，ヨウ素酸ナトリウムと水素が生成します。

ナトリウムとヨウ素酸の反応 ◆ Δ_rG −514.6 kJ/mol K 1.43 × 10⁹⁰ pK −90.15: 2Naナトリウム + 2HIO₃ヨウ素酸
⟶
2NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム + H₂↑水素

化学反応

電離反応

ヨウ素酸ナトリウムが電離すると，ナトリウムイオンとヨウ素酸イオンが生成します。

ヨウ素酸ナトリウムの電離: NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム
⟶
Na⁺ナトリウムイオン + IO₃⁻ヨウ素酸イオン

還元性化学種との反応

還元性化学種とヨウ素酸ナトリウムが反応すると，種々の生成物が生成します。

ナトリウムとヨウ素酸ナトリウムの反応 ◆ Δ_rG −1456.6 kJ/mol K 1.53 × 10²⁵⁵ pK −255.19: 10Naナトリウム + 2NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム
⟶
6Na₂O酸化ナトリウム + I₂ヨウ素

水素とヨウ素酸ナトリウムの反応 ◆ Δ_rG −687.8 kJ/mol K 3.14 × 10¹²⁰ pK −120.50: 3H₂水素 + NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム
⟶
NaIヨウ化ナトリウム + 3H₂O水

ナトリウムとヨウ素酸ナトリウムの反応 ◆ Δ_rG −1050.0 kJ/mol K 8.95 × 10¹⁸³ pK −183.95: 6Naナトリウム + NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム
⟶
NaIヨウ化ナトリウム + 3Na₂O酸化ナトリウム

硫化水素とヨウ素酸ナトリウムの反応 ◆ Δ_rG −551.5 kJ/mol K 4.16 × 10⁹⁶ pK −96.62: 3H₂S硫化水素 + NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム
⟶
3S硫黄 + NaIヨウ化ナトリウム + 3H₂O水

硫化水素とヨウ素酸ナトリウムの反応 ◆ Δ_rG −1844.4 kJ/mol K 1.33 × 10³²³ pK −323.12: 3H₂S硫化水素 + 4NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム
⟶
3H₂SO₄硫酸 + 4NaIヨウ化ナトリウム

被酸化性化学種との反応

被酸化性化学種とヨウ素酸ナトリウムが反応すると，種々の生成物が生成します。

銅とヨウ素酸ナトリウムの反応 ◆ Δ_rG −312.7 kJ/mol K 6.06 × 10⁵⁴ pK −54.78: 3Cu銅 + NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム
⟶
3CuO酸化銅(II) + NaIヨウ化ナトリウム

銅とヨウ素酸ナトリウムの反応 ◆ Δ_rG −361.6 kJ/mol K 2.24 × 10⁶³ pK −63.35: 6Cu銅 + NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム
⟶
3Cu₂O酸化銅(I) + NaIヨウ化ナトリウム

酸化鉄(II)とヨウ素酸ナトリウムの反応: 9FeO酸化鉄(II) + NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム
⟶
3Fe₃O₄酸化鉄(II,III) + NaIヨウ化ナトリウム

酸化鉄(II)とヨウ素酸ナトリウムの反応: 6FeO酸化鉄(II) + NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム
⟶
3Fe₂O₃酸化鉄(III) + NaIヨウ化ナトリウム

ヨウ化カリウムとヨウ素酸ナトリウムの反応 ◆ Δ_rG 2240.7 kJ/mol K 0.28 × 10⁻³⁹² pK 392.55: 10KIヨウ化カリウム + 2NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム
🔥
⟶
5K₂O酸化カリウム + 6I₂ヨウ素 + Na₂O酸化ナトリウム

被酸化性化学種との反応 (酸性条件下)

被酸化性化学種とヨウ素酸ナトリウム，水素イオンが反応すると，種々の生成物が生成します。

銅とヨウ素酸ナトリウムの反応 (酸性条件下) ◆ Δ_rG −438.5 kJ/mol K 6.64 × 10⁷⁶ pK −76.82: 3Cu銅 + NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム + 6H⁺水素イオン
⟶
3Cu²⁺銅(II)イオン + NaIヨウ化ナトリウム + 3H₂O水

ヨウ化カリウムとヨウ素酸ナトリウムの反応 (酸性条件下) ◆ Δ_rG −276.3 kJ/mol K 2.54 × 10⁴⁸ pK −48.41: 5KIヨウ化カリウム + NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム + 6H⁺水素イオン
⟶
5K⁺カリウムイオン + 3I₂ヨウ素 + Na⁺ナトリウムイオン + 3H₂O水

銅とヨウ素酸ナトリウムの反応 (酸性条件下) ◆ Δ_rG −822.9 kJ/mol K 1.47 × 10¹⁴⁴ pK −144.17: 5Cu銅 + 2NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム + 12H⁺水素イオン
⟶
5Cu²⁺銅(II)イオン + I₂ヨウ素 + 2Na⁺ナトリウムイオン + 6H₂O水

ヨウ化カリウムとヨウ素酸ナトリウムの反応 (酸性条件下) ◆ Δ_rG −276.3 kJ/mol K 2.54 × 10⁴⁸ pK −48.41: 6KIヨウ化カリウム + NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム + 6H⁺水素イオン
⟶
6K⁺カリウムイオン + 3I₂ヨウ素 + NaIヨウ化ナトリウム + 3H₂O水

被酸化性化学種との反応 (中性条件下)

被酸化性化学種とヨウ素酸ナトリウム，水が反応すると，種々の生成物が生成します。

銅とヨウ素酸ナトリウムの反応 (中性条件下) ◆ Δ_rG −453.5 kJ/mol K 2.82 × 10⁷⁹ pK −79.45: 5Cu銅 + 2NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム + H₂O水
⟶
5CuO酸化銅(II) + I₂ヨウ素 + 2NaOH水酸化ナトリウム

銅とヨウ素酸ナトリウムの反応 (中性条件下) ◆ Δ_rG −535.0 kJ/mol K 5.34 × 10⁹³ pK −93.73: 10Cu銅 + 2NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム + H₂O水
⟶
5Cu₂O酸化銅(I) + I₂ヨウ素 + 2NaOH水酸化ナトリウム

ヨウ化カリウムとヨウ素酸ナトリウムの反応 (中性条件下) ◆ Δ_rG 203.3 kJ/mol K 0.24 × 10⁻³⁵ pK 35.62: 5KIヨウ化カリウム + 6NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム + 3H₂O水
🔥
⟶
5KIO₃ヨウ素酸カリウム + 3I₂ヨウ素 + 6NaOH水酸化ナトリウム

ヨウ化カリウムとヨウ素酸ナトリウムの反応 (中性条件下) ◆ Δ_rG 203.1 kJ/mol K 0.26 × 10⁻³⁵ pK 35.58: 6KIヨウ化カリウム + NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム + 3H₂O水
🔥
⟶
6KOH水酸化カリウム + 3I₂ヨウ素 + NaIヨウ化ナトリウム

酸化鉄(II)とヨウ素酸ナトリウムの反応 (中性条件下): 6FeO酸化鉄(II) + NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム + 9H₂O水
⟶
6Fe(OH)₃水酸化鉄(III) + NaIヨウ化ナトリウム

難酸化性化学種との反応

難酸化性化学種とヨウ素酸ナトリウムが反応すると，種々の生成物が生成します。

金とヨウ素酸ナトリウムの反応: 2Au金 + NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム
🔥
⟶
Au₂O₃酸化金(III) + NaIヨウ化ナトリウム

塩化ナトリウムとヨウ素酸ナトリウムの反応 ◆ Δ_rG 2474.8 kJ/mol K 0.27 × 10⁻⁴³³ pK 433.57: 10NaCl塩化ナトリウム + 2NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム
🔥
⟶
6Na₂O酸化ナトリウム + 5Cl₂↑塩素 + I₂ヨウ素

塩化ナトリウムとヨウ素酸ナトリウムの反応 ◆ Δ_rG 673.9 kJ/mol K 0.87 × 10⁻¹¹⁸ pK 118.06: 3NaCl塩化ナトリウム + 4NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム
🔥
⟶
3NaClO₄過塩素酸ナトリウム + 4NaIヨウ化ナトリウム

塩化水素とヨウ素酸ナトリウムの反応 ◆ Δ_rG 673.8 kJ/mol K 0.90 × 10⁻¹¹⁸ pK 118.04: 3HCl塩化水素 + 4NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム
🔥
⟶
3HClO₄過塩素酸 + 4NaIヨウ化ナトリウム

塩化水素とヨウ素酸ナトリウムの反応 ◆ Δ_rG 152.4 kJ/mol K 0.20 × 10⁻²⁶ pK 26.70: 6HCl塩化水素 + NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム
🔥
⟶
3Cl₂塩素 + NaIヨウ化ナトリウム + 3H₂O水

難酸化性化学種との反応 (酸性条件下)

難酸化性化学種とヨウ素酸ナトリウム，水素イオンが反応すると，種々の生成物が生成します。

金とヨウ素酸ナトリウムの反応 (酸性条件下): 2Au金 + NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム + 6H⁺水素イオン
🔥
⟶
2Au³⁺金(III)イオン + NaIヨウ化ナトリウム + 3H₂O水

塩化水素とヨウ素酸ナトリウムの反応 (酸性条件下) ◆ Δ_rG 161.9 kJ/mol K 0.43 × 10⁻²⁸ pK 28.36: 10HCl塩化水素 + 2NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム + 2H⁺水素イオン
🔥
⟶
5Cl₂塩素 + I₂ヨウ素 + 2Na⁺ナトリウムイオン + 6H₂O水

塩化ナトリウムとヨウ素酸ナトリウムの反応 (酸性条件下) ◆ Δ_rG 161.9 kJ/mol K 0.43 × 10⁻²⁸ pK 28.36: 10NaCl塩化ナトリウム + 2NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム + 12H⁺水素イオン
🔥
⟶
12Na⁺ナトリウムイオン + 5Cl₂↑塩素 + I₂ヨウ素 + 6H₂O水

金とヨウ素酸ナトリウムの反応 (酸性条件下): 10Au金 + 6NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム + 36H⁺水素イオン
🔥
⟶
10Au³⁺金(III)イオン + 3I₂ヨウ素 + 6Na⁺ナトリウムイオン + 18H₂O水

塩化ナトリウムとヨウ素酸ナトリウムの反応 (酸性条件下) ◆ Δ_rG 152.4 kJ/mol K 0.20 × 10⁻²⁶ pK 26.70: 6NaCl塩化ナトリウム + NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム + 6H⁺水素イオン
🔥
⟶
NaIヨウ化ナトリウム + 6Na⁺ナトリウムイオン + 3Cl₂↑塩素 + 3H₂O水

難酸化性化学種との反応 (中性条件下)

難酸化性化学種とヨウ素酸ナトリウム，水が反応すると，種々の生成物が生成します。

金とヨウ素酸ナトリウムの反応 (中性条件下) ◆ Δ_rG 221.1 kJ/mol K 0.18 × 10⁻³⁸ pK 38.74: 2Au金 + NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム + 3H₂O水
🔥
⟶
2Au(OH)₃水酸化金(III) + NaIヨウ化ナトリウム

金とヨウ素酸ナトリウムの反応 (中性条件下) ◆ Δ_rG 1308.3 kJ/mol K 0.62 × 10⁻²²⁹ pK 229.20: 10Au金 + 6NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム + 18H₂O水
🔥
⟶
10Au(OH)₃水酸化金(III) + 3I₂ヨウ素 + 6NaOH水酸化ナトリウム

塩化ナトリウムとヨウ素酸ナトリウムの反応 (中性条件下) ◆ Δ_rG 1120.5 kJ/mol K 0.50 × 10⁻¹⁹⁶ pK 196.30: 10NaCl塩化ナトリウム + 2NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム + 6H₂O水
🔥
⟶
12NaOH水酸化ナトリウム + 5Cl₂↑塩素 + I₂ヨウ素

塩化ナトリウムとヨウ素酸ナトリウムの反応 (中性条件下) ◆ Δ_rG 631.7 kJ/mol K 0.21 × 10⁻¹¹⁰ pK 110.67: 6NaCl塩化ナトリウム + NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム + 3H₂O水
🔥
⟶
NaIヨウ化ナトリウム + 6NaOH水酸化ナトリウム + 3Cl₂↑塩素

水溶液の電気分解

ヨウ素酸ナトリウム水溶液を電気分解すると，種々の生成物が生成します。

ヨウ素酸ナトリウム水溶液の電気分解 (水=非酸化還元剤) ◆ Δ_rG 390.1 kJ/mol K 0.45 × 10⁻⁶⁸ pK 68.34: 4NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム + 2H₂O水
💧⚡
⟶
4NaOH水酸化ナトリウム + 2I₂ヨウ素 + 5O₂↑酸素

水の電気分解 ◆ Δ_rG 474.258 kJ/mol K 0.82 × 10⁻⁸³ pK 83.09: 2H₂O水
⚡
⟶
2H₂↑水素 + O₂↑酸素

ヨウ素酸ナトリウム水溶液の電気分解 (水≠反応物) ◆ Δ_rG 152.9 kJ/mol K 0.16 × 10⁻²⁶ pK 26.79: 2NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム
💧⚡
⟶
2NaIヨウ化ナトリウム + 3O₂↑酸素

ヨウ素酸ナトリウム水溶液の電気分解 (水=還元剤) ◆ Δ_rG 710.5 kJ/mol K 0.34 × 10⁻¹²⁴ pK 124.47: 2NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム + 6H₂O水
💧⚡
⟶
2NaOH水酸化ナトリウム + I₂ヨウ素 + 5H₂O₂過酸化水素

ヨウ素酸ナトリウム水溶液の電気分解 (水=非酸化還元剤) ◆ Δ_rG 1401.1 kJ/mol K 0.35 × 10⁻²⁴⁵ pK 245.46: 6NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム + 3H₂O水
💧⚡
⟶
6NaOH水酸化ナトリウム + 3I₂ヨウ素 + 5O₃↑オゾン

分解反応

ヨウ素酸ナトリウムが分解すると，種々の生成物が生成します。

ヨウ素酸ナトリウムの分解 ◆ Δ_rG 152.9 kJ/mol K 0.16 × 10⁻²⁶ pK 26.79: 2NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム
🔥
⟶
2NaIヨウ化ナトリウム + 3O₂↑酸素

ヨウ素酸ナトリウムの分解 ◆ Δ_rG 841.5 kJ/mol K 0.38 × 10⁻¹⁴⁷ pK 147.42: 4NaIO₃ヨウ素酸ナトリウム
🔥
⟶
2Na₂O酸化ナトリウム + 2I₂ヨウ素 + 5O₂↑酸素

参考文献

参考文献一覧

1
James G. Speight (2017)
Lange's Handbook of Chemistry, 17th edition
https://www.accessengineeringlibrary.com/content/book/9781259586095
McGraw Hill Education
- Amazon
引用リスト
- ^ 密度, 4.28 g/cm³ - p.65
- ^ 融点, 分解 - p.65
- ^ その他転移エンタルピー, 35.1 kJ · mol⁻¹ - p.310
- ^ 水への溶解度 (g/100 g), 表を参照 - p.343
2
John R. Rumble Jr, David R. Lide, Thomas J. Bruno (2019)
CRC Handbook of Chemistry and Physics 100th Edition
https://www.routledge.com/CRC-Handbook-of-Chemistry-and-Physics/book-series/CRCHANCHEPHY
CRC Press
- Amazon
引用リスト
- ^ 融解熱, 35.1 kJ · mol⁻¹ - p.6-160
3
Janiel J. Reed (1989)
The NBS Tables of Chemical Thermodynamic Properties: Selected Values for Inorganic and C1 and C2 Organic Substances in SI Units
https://doi.org/10.18434/M32124
National Institute of Standards and Technology (NIST)
引用リスト
4
Atherton Seidell (1919)
Solubilities of Inorganic and Organic Compounds: A Compilation of Quantitative Solubility Data From the Periodical Literature
D. Van Nostrand Company
- Amazon
引用リスト
- ^ 水への溶解度 (g/100 g), 表を参照 - p.654
5
化学物質管理センター
GHS分類結果
https://www.nite.go.jp/chem/ghs/all_fy.html
独立行政法人製品評価技術基盤機構
引用リスト

Δ_rG	−75.3 kJ/mol
K	1.56 × 10¹³
pK	−13.19

Δ_rG	−376.3 kJ/mol
K	8.41 × 10⁶⁵
pK	−65.92

Δ_rG	−7.7 kJ/mol
K	2.23 × 10¹
pK	−1.35

Δ_rG	−44.2 kJ/mol
K	5.54 × 10⁷
pK	−7.74

ヨウ素酸ナトリウム

名称

物質名称一覧

化学式と構造

化学式一覧

物質情報

物質情報一覧

構成要素

構成イオン

構成原子

原子の比率

熱力学的性質

相転移特性

標準熱力学特性

溶解度

溶解性

水への溶解度 (g/100 g)[1]

水への溶解度 (g/100 g)[4]

溶解度曲線 (g/100 g)

危険有害性

GHSラベル[5]

物理的危険性[5]

健康有害性[5]

環境有害性[5]

製法

酸と塩基の反応

塩基性酸化物と酸の反応

弱酸の塩と強酸の反応

活性金属と酸の反応

化学反応

電離反応

還元性化学種との反応

被酸化性化学種との反応

被酸化性化学種との反応 (酸性条件下)

被酸化性化学種との反応 (中性条件下)

難酸化性化学種との反応

難酸化性化学種との反応 (酸性条件下)

難酸化性化学種との反応 (中性条件下)

水溶液の電気分解

分解反応

参考文献

参考文献一覧

関連物質

アルカリ金属のヨウ素酸塩

酸

塩基と塩基性酸化物

関連カテゴリ

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物質の分類

物質の状態

物質の性質

物質の溶解性

物質の色

物質のにおい

水への溶解度 (g/100 g)^[1]

水への溶解度 (g/100 g)^[4]

GHSラベル^[5]

物理的危険性^[5]

健康有害性^[5]

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